071 屋上での盗み聞きには気をつけろ!!
白い雲がふわふわと青空を漂い、生暖かい風が吹いている。
いつになく快晴という珍しい天気。長袖じゃァちょいと暑いぐらい。 この前、学校に雷が落ちたと聞いていたけど大丈夫だったんかな。
えーっと並盛ちひろ、前に屋上で跳ね馬とヒバリが戦った時の壊したタンクの上に寝転んでるなう。
…ツイッタ―やってないからさ、自分で言うしかないんだ。 寂しいなんて言うんじゃねーぞ、これで私は満足している!!
「おい、お前授業はでねーのか?」 『んー?おや、昨日ぶりだな』
横を向けば、この天気だというのに真っ黒な長袖のスーツをぴっちりと着こなした、小さな姿。
「中学生は義務教育なんだぞ」 『赤ん坊が何言ってんだか、つーかこんな所に何の用?』
よっこらしょ、と上半身を起き上がらせる。
「ちょっと来いちひろ、おもしれーモンが見れるぞ。」
クイックイッと指を曲げ、ぴょんっと彼はタンクの影へと降りていく。
私も後を追って地面に着地しようと地面を蹴り上げれば、パンツが見えた等とガキの分際で抜かしやがったので踏み潰してやろうかと思った。
いや、実際に実行した。
「ってえー?!これオレに?!」
ちっ、避けられたか。
「最近夜の相撲大会でケガ人が多いでしょ?だから安全祈願!と必勝祈願も!」
ん…ありゃあダメツナの声と笹川京子の声か。
ひょこりと覗けば、二人が立ちながら何やら話し込んでいるようだ。 丸聞こえだぞ、オイ。
「ありがとう!オレ…次の戦い…」
きゅっと口を結んで、ダメツナは前を見据えた。
「負けるわけには、いかないから。」
頬を染める、京子。
…え、何この子。
だって…えっ?!何で今のシーンで赤くなるの?!そんなんになるような場面と要素って、今の会話であった?!
どうなのこの子、バカなの?!
「忘れんなよ…ツナ、ちひろ」
いや、忘れるわけないよ。なんか見ちゃいけない決定的なシーンを見ちゃったもの。 記憶にインプットされちゃったよ。もう今日はいろんな意味で寝られないよ。
「お前たちはここに帰ってくるんだぞ。」 『なんか死にに行く戦いみたいな言い方やめてくんない?!私は戦わね―からな。審判だからな』
「お前、水色のチェックだったな」 『しねよな』
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