067 ギャップ萌ってなかなか見つけるのが難しい
「カスから消えていく、それに変わりねェ」 『そうだね。RPGのオンラインパーティー作ってもテメーは一番に消滅(HP0)になってなもんな。そのことがよく記憶に染みついてるっつーこった』 「カスなドチビは黙ってろ」
見下された上にそうセリフを吐き捨てられたので、私もペッと唾を地面に…「汚い」『さいですか』
本当にするわけねーだろ、チキンめ。 んなことやったら…その…アレだぞ、ダメだぞ。
視線を前の方へと戻す。
白い煙で視界を遮られてはいるものの、かろうじて見えるスーパーサイヤ人もといダメツナの姿。 上から降り注ぐように落ちてくるミサイルをよけながらも、両手に灯った炎によって高く宙を飛んでいく。
ワォ人間の空飛ぶ夢がかなったじゃない。
ん…炎?
頭の中で鹿肉…じゃねーやチェルヴォの言っていた言葉がよみがえる。
“――この水は貴様の覚悟――”
…あれ、炎じゃなくて水だったわ。
ボウッ!!
「?!」
拳にともされたオレンジ色の炎が一際大きくなったかと思えば、ダメツナは上からゴーラ・ポスカへと急降下し、その勢いでもう片方の腕を引きちぎる。
なんとも、早い。
「おい、デクの棒」
その片腕には拳に灯されていた炎が燃え移り、ドゴウッ!!という音を立てて爆発する。
「お前の相手はオレだ」
…お前、そんなキャラだったっけ?
すると、ゴーラ・パスタはダメツナだけを標的に絞ったのか、背中からまた大量のミサイルを発射した。
ドドドドドッンッ!!
軽快なステップ(?)で彼はそれを回避していく。
ブオッ!!
ドガンッ!!!
ホップステップジャンプどころの成長じゃねーな、別人だよアレ。
ボウッとまた炎が大きくなり、ダメツナの推進力が上がる。 …なるほど、炎の噴射で奴は飛んでるのか。 アレ、手ェ痛くないのかな。焼けないのかな、指先とか。
「!!」
『あららら』
勢いよく飛んだはいいけど、ゴーラ・ミストがすぐそばにいて、目の前で圧縮りゅーし…ほう?みたいなのを撃とうとする。
「10代目!!!」
チンピラの声が響く。
するとダメツナは左手にある炎を消し、代わりに右手の炎を肥大化させ、その拳をゴーラ・チェストのど真ん中にぶち込んだ。
ドゴォッ!!!
「ゴーラ・モスカね、モスカ」 『あっやっぱり?実はそうかと思ってたんだよ、うん。本当に知ってたからね、ぼけてただけだから…聞いてんのかチキン』 「ハイハイ」
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