066 人の外見で結構その人の素性がわかったりする
ドゴウッ!!ボウッ!!!ギュオォォォォォ!!!
前回のあらすじ―――爆発、誘爆、誘惑、食欲…様々な熱が入り混じる中でザンザスは笑っていた。
その足元でへたりこんでいる私は彼の首のフサフサがマングースの尻尾か、そしてそれがこの騒動で燃えたりしないのか不思議でならなかった。 つーか眉毛ごと燃えてしまえ、と思ったのは秘密だ。
「…………そうかカスチビ、日本にはてめーもいたのか」 『何?今まで知らなかったの?RPG激弱ザンザス』
ドガッ!!
『うぐっ……』
奴の硬いブーツが私の腹に直撃したかと思えば、鋭い痛みが全身を貫く。
足蹴にされ、宙に投げ出された私の体はそのままズザザザザッとグラウンドに倒れこんだ。
『痛ってェな。てめーがゲームに弱いのは知っていたが、実戦ではなかなかやるじゃねーか』 「まさか生きていやがったとはな、てめーがオレのPSPを壊したことは死んでも忘れねェ」 『けっ、一生その苦しみを抱えて生き続けるがいいザマーミロ』
こんな時に、幣さえあればと思ってしまう。 そうすれば、さっきのひと蹴りの報復ができたのに、と。
遠くてよく見えないけど。
「ちひろ、君生きてるかい」
少しその場にうずくまっていれば(実は動きたくなかった)それを珍しく心配してくれたのか、彼がそっと近寄ってきてくれていた。
『…ヒバリかーてめーこそ生きてんのか?足やられたんだろ、ダサイな。学ランも吹き飛ばされて――ってあれ、何で羽織ってんの?』
しかもそれ私のだし、騒ぎの中きっちり拾ってきてくれたんかい。
「君も見た所、お腹をやられてるみたいじゃないか。似たようなもんでしょ、ダサイ」
うるせーよ。
ドウゥッ!!ゴオォォォォ!!!
『何々、何の音?』
「…見てごらん、ちひろ」
よいしょっと私を抱えて立たせてくれたヒバリの視線の先には―――
手と額にオレンジ色の炎を灯し、眉間にしわを寄せて拳を振るう―――
『…あ、襟立ってる』
「……。」
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