065 コオォォォォってなんかいい
「手…出てるよ?」
チキンがトンファーで奴の手を…叩いた?
「あやつボスの動きを捉えているだと?!」
あ、違ったみたい。 さっき頭を叩いてきた獄寺に報復として煙草を全部水浸しにしてやろうとすれば、閃光が頭の上をかすめた。
コオォォォの光。なんて危なっかしい。
ビュンビュンと物凄い勢いでトンファーを繰り出していく、ヒバリ。 それをあまりものともせず、ザンザスは回避していく。
「チェルベッロ」
ザンザスは口を開いた。
『おまけに審判と会話しようと…くっ、なんて奴。羨ましいこと山の如しだ。』 「それはお前だけだと思うがな!!」
黙れ芝生頭。…おっと、獄寺の口癖がうつってしまったようだ。
「この一部始終を忘れんな」
何?てめーの眉毛が枝分かれしていることか?
「オレは攻撃を、してねぇと。」 『…?!』
そんなザンザスに脇目も振らず、ヒバリは真っ直ぐとぶつかっていく。 次の瞬間、彼―ザンザスの顔が…―――ひどく、歪んだようにみえた。
ブオンッ!!!
時が、止まったかのよう。 はっきりと、目に焼き付いた。
『ヒバリッ…!!!』
ザンザスが身を引いた瞬間、どこからかオレンジ色の光線のようなものが二人の間を貫き、それがヒバリの太もものあたりをかすっていた。
ガクッと崩れ落ち、彼の傷口からはブシュッと嫌な音を立てて、血が噴き出していた。 「なっ…」
…ん?上から焦げ臭いにおいがし……!!
『お前らァ!!上見ろォ!!!!』
バッと頭上に視線を上げればミサイル…ロケットのように後ろから遠隔操作のできるものが迫ってきていた。 幣さえあればこんなもの一発で粉砕できるのだが、生憎今日は手ぶらだ。
力の限り地面を蹴り上げその場を離れれば、すぐ背後からはドドドドドッと轟音と熱が噴き出している。 おうおう、こえーな。
「大丈夫スか、笹川兄!!」「何がおきているのだ?!」
ゲホッゴホッ あ゛ー煙まずっ
すると、晴れていく黒煙の中―私のすぐ近く…そう、目の前には黒いブーツと長い足があった。 見上げればまた奴も空、いやこんなことになった根源のカラクリを見つめている。
その口元にはうっすらと笑みが浮かんでいた。
「…なんてこった、オレは回収しようとしたが、向こうの雲の守護者に阻まれたためモスカの制御がきかなくなっちまった」
『嘘つけよオメー回収する気なんてサラサラなかったじゃん。』
つーか首元につけてるそれ、何?マングースか?マングースのしっぽかこのやろー
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