064 肩に学ランを羽織る者vs肩に隊服を羽織る者
“まあでも、雑魚を倒したところで財布ぐらいしか得るもんはねェ”
“どうせだったら大将の首ぐらいはとりてェな”
“私、だったら”
『私だったらって言っただろうがァァァァァァ!!!!』
争奪戦前、ヒバリに言った言葉が頭の中でリピートされる。 ったく、あのチキンめ。
よりによってあいつを…私のパーティ仲間、ザンザスを選ぶとは。
…懐かしい、イタリアにいる頃よく肉を取り合ったな。現実とゲームの中の両方で。 今思えばよく肉ごときで死闘を繰り広げられたものだ。 一回屋敷が吹っ飛んだときがあったよ。
ガッ!!!
「!!」『あらあら』
ザンザスがにやりと笑った瞬間、彼はその場から跳躍してフィールド内へあの無駄に長くて黒い足を、ヒバリの頭上へとつっこんだ。 だが流石にひばりん、トンファーで彼を受け止める。
その動きがあまりにも俊敏すぎたのだろうか、肩にかけていたヒバリの学ランがハラリとむなしく地面に落ちた。
そこで注意してほしいのはその学ランの襟の部分。
よく見て、目を凝らしてみよう…そのタグにはMサイズではなくSサイズとの表示があるではないか!!! なんでだろうね!ヒバリはMサイズなのに!!私はSサイズだけどな!!イッツファンタスティック!!!
…………つーかそれ、私のじゃね?
道理でいつもよりヒバリの学ランが開いてるっつーか小さいみたいな印象はあったんだけど、おまっそれ…きつかっただけじゃねーかァァァァ!!!
「足が滑った」 「だろうね」「ウソじゃねぇ」
あれ、ちょっと待って、今私の着てる学ランって…
『エ、エムサイズやったァァァァァァ!!!』
やったって嬉しい方のやったじゃないからな、勘違いすんなよ。
ドオォォォォン!!!
「そのガラクタを回収しにきただけだ。」
ちくしょーママンめ、洗濯し終わって部屋に運ぶとき間違えやがったな。
ガガガガガッ!!!
なんてこった、道理で私のやつもぶかぶかだと
ドオン!!ドオンッ!!!
思っ…
ビュンッ!!ドォォォォン!!!
て………
「安心しろ、手はださねぇ」 「好きにしなよ、どのみち君は咬み殺される。」
コォォォォォバチッ!!
『…うるせェェェェェ!!もう少し黙って戦えねェのかァァァアア!!』
「うるせーのはテメーだ、黙ってみれねーのか!!」
ゴンッとまた頭をたたかれた。
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