057 全裸になると追いはぎには遭わない。
ガキィィィン!!
ズルズル バサッ ゴソゴソ
ドゴッ!!
ズルズル ゴソゴソ
「ねえ、ちょっと。」 『なんだいチキンボーイ』
前を歩いていたヒバリが私の方を振り返る。 何故だろう、彼が私に向けるその瞳はいつになく冷たい。
「さっきっから何やってんの」 『何って』
黒い喪服の様な服を着用し、私とヒバリに倒された彼らに目を落とす。
『追いはぎ。』
「…。」
静寂が辺りを包みこむ。
私は学ランのポケットの中から、彼らから剥ぎ取った素材をヒバリに見せつけてやる。 もちろん、ドヤ顔でな!!
『下っ端だからあんまりはした金は持ってないみたいだけど――まぁそれでも一応マフィアだし。二万くらいは常備してるみたいよ。無論、カードもばっちりさ!!』
なんかブラックカードなんてのも持ってる奴いたよ。あれ、ブラックカードってなんだっけ。
『まあ私はハンターだからな、これからはハンター・オブ・並盛とお呼び!!』
日本語訳にする並盛の狩人…んーちょっとダサかったな。 もうちょっと捻った感じで…何か…こう、いいアイディア浮かばないや。
「ゲホッゲホッ……くっ」 「『あ』」
足元にて剥ぎ取り終えた獲物がなにやら逃げてしまった。 うかつだったよ…おおう、足はえーな。
私は戦利品の財布をしまい、幣を担ぐ。
あー肩痛くなってきた、これ何キロあるんだっけか。十キロ?
『ヒバリィ、追いかけなくていいの?ついて行けば敵さんの親分がわかっちゃうんじゃないの――』
私が言うや否や、風がビュン!!と吹き抜けて遠くのほうでヒバリがダッシュで駆けていくのが見えた。
『………私も連れて行けよォォォォォォォ!!!』
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