056 金持ちな人って見かけによらない
ここは並盛中学校、校門前――
『よっこらせっと…んー何日かぶりの並盛やーやっぱ地元っていいね!!なんか故郷って感じがするぜ!!』 「故郷だからね。」
黒いヘリコプターから降りた私は見なれた景色の中で、思いっきり伸びをした。 あ、ちなみにこのヘリは前に海に行ったとき、チキンが呼んだヒバリ家のヘリさ。 相変わらずリーゼントが運転してたよ。
「さて、ちひろ。」
妙に殺気立ったヒバリがカチャリとトンファーを握る。 あらあらご機嫌斜め四十五度。
「…咬み殺しに行くよ。」
一応幣持ってくか、ヒバリが暴走したときとっ、トメナクッチャナー
「どうせ君は応接室の冷蔵庫に冷やしてあるケーキをこっそり食べるつもりでしょ?幣は冷蔵庫を破壊するためのキーアイテム…違うかい」 『ひばりんエスパー?』
キーアイテムって…チキンよ一体どうしてしまったんだ。
さてそろそろ行こうか。 そうヒバリに急かされて、私たちは校舎の中へと足を踏み入れた…土足で。
ドゴウッ!!ドガシャァァアアアア!!
ドサッガキィィィィン!!!!
「……ちひろ、もう少し控え目に戦えないのかい?」 『仕方ねェだろ、幣は結構でかめの武器なんだよ。RPGで言えば大剣の類、トンファーみたいにコンパクトになれない不器用な奴なのさ、武器なだけに。』
黒い全身タイツみたいな恰好をした奴が、次々に襲いかかってくる。 右から左から、斜め、後ろ、真横、上……う、うえだとォォォォォ?!
いつの間にやら廊下の天井にへばりついてる一人の男、もはや人間には見えない。どっかの頭文字がGから始まるアノ昆虫にしか見えない。
爆弾を投げようとしていたが、すんでのところで私が幣を振り上げる。 が、思いのほか強く振るったようで男と一緒に天井も突き破ってしまった。
『あ…』
ドゴォウッ!! パラパラとコンクリートの破片が煙と共に、下に居た私たちに降り注ぐ。
「不器用なのは君の方なんじゃないの」 『だ、黙れっ!このチェリーチキンめが!!』 「チェリーチキンて何」
おっと新しい言葉をクリエイティブしちゃったぜ!!
「校舎の復旧費用はちひろの財産から出してもらうからね。」 『こんな額、片腹痛いわ!!』 「……。」
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