038 好きなものをずっと食べ続けると飽きる!!…かもしれない。
「また会えてうれしいですよ。」 「ああ!!君は!!…えっちひろちゃん?!」
聞きなれた、声がする。 毎日ダメライフダメマグロの奴の声だ。
「おや、お知り合いでしたか…並盛・C・バカを」 「すいません、やっぱ知りません。」
『オイゴルァ!!ダメツナのくせに生意気な口叩いてんじゃねーぞ!!』 「なんかこの前より口が悪くなってる!!」
「おっと、まだ喋る余裕があったとは。」 『くっ!!…や、やめろォォォォ!!』
私は今、パインとソファーのサンドイッチ状態になっている。 もちろん下ソファー、上パインという図式だ。逆だったらそれはそれで自分を褒め称えてやりたいぜ。
さて、なぜこうなったか。それは今から五分ほど前にさかのぼる。
ドカッ!!ゴッ!!バキィィィィ!!ドゴッゥゥゥゥゥ!!
武器と武器、鉄と鉄とがぶつかりあいその強烈な攻撃故か火花が散るほど。 おっと、最後のドゴッゥゥゥゥゥ!!は私が床を崩した音だぜ。
「まさかここまでついて来られるとは…並盛喧嘩ランキングには貴方の名前はありませんでしたがね。」 『フッ、私はあいにく喧嘩のした事のない乙女でね!!ちなみに今まで行ってきたのは奴らに制裁を下したか、激しいスキンシップのどちらかさ!!』 「それはそれは、ユニークですね。」 『いやいや、貴方の頭のヘタも負けてませんよ…っと!』
またクフフと彼は笑い、同時に距離を保つ。
「ですがそろそろボンゴレがくるでしょう。幕引きの時間です。」 『何がアサリだバカヤロー。チョコレートの事を貴方は愛していなかったのね?!だから最近、やけに出張が多かったんだわ!!この浮気者!!』
「クフフフ、ならば貴方はその本当の愛を貫くことができますかね…」
ガキィィィン、とまたもや武器を交えた瞬間、パインの右目がブゥゥンと六の文字から一の文字へと変わった。
おいおい、オッドアイってどこの中二病が考える設定だよ…おっとヒバリ(中二病患者)に失礼だったな。ごめんよ!!
そう思うのもつかの間、気がつけば彼の姿は忽然と消え、廃墟だった周りの景色が辺り一面、妙に甘い匂いのする茶色の液体によって埋もれていく。 ドロリとしたそれは、徐々に水位が上がっていっているようだ。
“チョコレートへ対する愛は、どこまでもつのでしょうかねぇ”
どこからかパインの声が響く。
うわっ、靴にまで入ってきやがった。
でもこれチョコだってパイン言ってたよね。これが○○○だったら確実に奴を殺しに行ってたとこだけど、フッここは大人になって貴様とのお遊びに付き合ってやろうではないか!!
フハハハハハ!!
フハハハハハハハ!!
ハハハハハハハハハハ!!
ハハハハ…
ハハ…ハ、ハハハ…
『ンなわけねーだろォォォ!!この腐れナポーがァァァァァァァ!!!!!』 チョコレートがようやく肩のあたりに迫ってくるところで、私はどっかにいるパインに向かって叫び声を上げるのだった。
…ちょっと舐めちゃお。あ、甘い。
back
|
|