031 膝枕って太もも痛くなんないのかな、アレ。
「…甘い。」 『そりゃそうだよ。WATAAMEだもの。』
あまりおいしくなさげな顔で眉を八の字にしているヒバリは、私に食べかけの割り箸を返してきた。 つーかもう、ほとんど残ってねーじゃん。 ヒバリン、甘いの苦手だったんか。(でも、この前私のエクレア食べやがった。)
「オメーら、いつもそんなことしてんのか?」
スーツから浴衣へと着替え、下からリボーンが聞いてくる。 こんなことってなんだよ、つーかお前帽子取ると印象変わんな。 もう一度、最後のわたあめを口に突っ込んで棒に付いた水あめを舐めとった。
「え゛え゛え゛え゛?!」 『オメー、さっきっからうるせーよ。周りの人間が迷惑してるぜ。』
ダメツナが先ほどから奇妙な声を出してて気持ち悪い。 けっ、だからテメーはいつまでたってもダメツナどまりなんだよ。
「だってそれっ…アレでしょ?!」 『あ゛あ゛っ?なんだよ…おい獄寺。奴の言葉を訳せ、私には理解しかねる。』 「なんでだよ!!」 『十代目の言っている言葉くらい右腕のテメーなら聞き取ってるはずだろー?』 「バッ…すみません!!十代目ェ!!今訳させて頂きます!!…つまりだな―――だよ」
聞こえねーよ、なんで顔真っ赤にさせてやがる。 流石、タコみたいな髪型してるだけあるわ。
『ワンモアプリーズ』 「か…すだよ…」 『何がカスだって?なめてんのかゴルァ』
「誰もンなこと言ってねーよ!!…だからァ、間接キスじゃねーかって言ってんだよ!!」
「あ…獄寺君…」「あ〜あ言っちまったのな。」
なんて事を口走ってんだコイツ。 しかも声の大きさ、かなりでかかったぞ。周りの通行人を見てみろ。怪訝そうな顔をしているだろう。
これはかなり恥ずかしいな、獄寺が。
「フン…行くよちひろ。」 『おう、じゃーな変態。変な妄想は頭の中にしといた方が後々身のためだぜ、アディオス!!』
ポンッ、と獄寺の頭を叩いてやれば、ヒバリが早くしろと言わんばかりに私の肩をグッと自身の方に引き寄せた。
『そうだ、これ全部終わったら家で花火みよーぜ!!今年は打ちあがるんだろ?!』
今、急に思い出したよ花火の事。 何?こーゆーのインスピレーションっていうの?なんかフッと頭の中に記憶っつーか神が舞い降りたみたいな。 凄くね、私!!
「…そうだね、ちひろちょっとお金を持っててくれるかい?」
ちょっと待て、何だ今の間は。
てくてくと歩いて、並盛神社の石段を登っていく。
ヒバリは何かに気が付いたのか、私にお金を託して一足先に階段を駆け上がっていった。
なんだ、オメー私にこんな大金を託していっていいと思ってんのか、ありがとう!! あれ、どのくらい使っていいんだろう。とりあえず、ヒバリに聞きに行くか!!
私も彼を追いかけるべく、石段をなれない下駄と袴を引きずりながら石段を登って行った。
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