028 金持ちって常識の通じない人が多い気がする。
おいおい、誰だよ。こんなとこにいる奴。
ひょこり、と足のつま先を伸ばして岩の後ろをのぞいてみる。 こういう時に身長が低いというのはとても不便だ。
これってアレだよな。コンプレックスって言うんだっけ?ほら、ゲームに出てくる瑠伊ー次さんって確かコンプレックスの塊って言われてるよね。
岩をよじ登り顔を出してみれば、そこには頭を抱えてうずくまる金髪チャラ男の姿。 よく見れば、同じような奴がゴロゴロと怪我をしたのか倒れていた。
何やっちゃってんの、こんなところで。
「ちひろ?何してんの?おいてくよ」 『あーハーイ』 「あ、そう。」 『バカヤロー今の返事は、先に帰ってもいいよっていう意味じゃねーよ』
いつの間にか迎えに来てくれていたのは、ヒバリ家のヘリコプターを運転するママン草壁。 流石は並盛きっての名家、ヒバリのお家にはなんでもそろっている。 うおう、ヘリってこんなにでかかったっけ?
その後、私はヒバリのヘリコプターでなぜか学校の応接室へと連れて行かれた。 なぜなら、彼の机の上に残されていて溜まっていた書類を手伝うため。(強制的にね!!) へぐしっ…風邪ひいたぜ。
「ちひろあてに書類が来てるよ。」 『ん〜何?“並盛中学校生徒が町内交流七夕大会において、公民館の一部の壁を破損。生徒の処分、及びに修理費は並盛側に一任する”…んだこりゃ、なんで私宛になってんだよ。』
しかも並盛側って何?書類をよこした奴も並盛市民じゃねーのか? せめて地主様ぐらい書けっつーの。
「どうするの…ああ、その出席者たちの名簿が来てるよ。」 『…うっわ、ダメツナにチンピラ獄寺、存在皆無の山本とハル…笹川兄もでてんな。何だこの面子。――いいや、適当にダメツナにしちゃえ。』
サラッサラの白紙に奴の名前を書いていく…おっと、綱吉のところをダメツナって書いちゃったぜ、テヘペロ!!
「そろそろ並盛神社の祭りが近づいてきてるでしょ、さっさとその書類終わらせて準備に取り掛かった方がいいんじゃないの」 『おっと、もうそんな季節か。…そういえば、明日そのための会議があるんだったーだるいなー』
“請求書” “沢田ダメツナ(綱吉)殿”メモ…処分は町内会の長老に任せるYO!!
「君…馬鹿にしてるの」 『グッドラック!!』 「もういい、これ回すからね。どうなっても知らないよ」
ヒバリは呆れてため息をついた。 ただの屍のよ…痛いっ!!髪の毛引っ張んな!!
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