111 恐怖を覚えると人ってとっても従順
「通信室をかせ!!クソボスに報告して救援を頼む。」
そう叫んだスク・・・アーロに私はへばりついた、髪の毛に。ユニという少女と一緒に行動をしたくなかったからだ。何やら言いたそうにチラチラと視線を送ってくるが私としちゃ知ったこっちゃないし、何だか嫌な予感しかしない。
そのことをアジトの中、通信室に着くまでの道のりで目の前の彼に告げれば、心底どうでもいいという顔をされた。この緊迫した状況下で何を言っているのだと。10年前の同僚マーモンが属すファミリーアルコバレーノのボスということもあってか特には警戒していないんだとか。
「!そぉだぁ!腕の立つ奴をすぐに日本に送れぇ!!」
「そんなこと急に言われてもーん」
『あっオカマちーっす久しぶりんご!』
大きなモニターに映し出されるモヒカンに手を触れば、ちゅっと投げキッスで返された。お、おう。
ガンガンガミガミと画面に怒鳴るスクア、アーロを尻目に私はチェルヴォを呼び出す。話し相手が欲しいからだ。チッチッでてこい鹿肉。
”何だ、ちひろ何の用だ。”
『・・・北山を元に戻す方法と、それから並盛りの土地と住民のある程度の安全を確保したい。10年で土地がだいぶ変わったからサポートをよろしくお願いしたい。』
貴様にしては随分急で真面目くさった質問だ、と彼は体毛をチャプンと揺らした。
『だってさぁどうせこれからの展開は予測つくんだぜ?先ずはこの並盛に敵が来て暴れ・・・』
「う?お?おい!ルッスどおしたぁ!?」『?!』
ヴーーッヴーーッ
大きく、そして高くサイレンが部屋中に鳴り響く。先ほどのルッスーリアの姿はなく、画面には赤い英語らしき文字の羅列が映し出されていた。
『??!ニューヨークシティー・・・だと?!』
「アホかぁ!!!NCY.EMERG.ENCY.非常事態だぁ!!!う?お?ぉいっ!!何事だぁ!!」
スクアーロ、ロに続き部屋を出るとドォンドオオンッ!!と遠くから地響きが、
”!!!ちひろッ後ろだ!!”
『んんん?!』
ドウッ!!
振り返った瞬間、私達のいたであろう通信室から爆音と、さらに熱風が加わってコンクリートと鉄筋仕立ての廃墟と化した。
『アジト発見されんの・・・はやくね??』
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