復活 | ナノ




 
 
 
108 チェンジで!!



寒い。

ぶるりと体を震わせ目が覚めた。爽やかなのに嫌な目覚めだ。


「ドローか…」


懐かしい掠れたような声で私は完全に目を覚ました。長い髪、銀髪が目に入る。なんだヒバリじゃないのか。


『スークアロ、いつの間に日本に来てたの。おはよっさん』

「うお゛お゛お゛い!!!おはよ゛う゛!!!ちひろ!!!名前間違えんじゃねぇぇぇぇ!!!!!あと空気を読め゛え゛え゛え゛!!!」

『挨拶をしっかりするところに、やっぱりママンの魂を感じるよ。素質があるよ、流石イタリアのマーマレードと言われるだけのことはあるね!!』


お前マーマレードの意味知ってんのかと言われたので、胸を張って答えてやった。フランス発祥の焼き菓子で甘いヤツだろ知ってるわバカにしてんのか。

あれ、頭を抱えてうずくまちゃった。どうしたのねェ、髪の毛床に付いてるよ。これじゃ踏んじゃうでしょ。

そんなスクアーロを無視して周りを見渡せば、下まつ毛野郎、リボーン、葉っぱ、何かよく見るメンバーが揃いもそろって青い顔してモニターに釘付けだ。

どうやら勝敗がついたらしい、引き分け…かと思いきや、敵さんが生き返ったとか何とかで……つまり負けたと、ふむ。


『……んん?負けたら結局どうなるんだっけ、ま、いいや。ヒバリはどこかな』


どういうことはヒバリ君に教えて貰っちゃおうかな!!!きっと教えてくれるはずさ!!!
ドアがあったので、部屋の中にいた皆と一緒に外に出る。
お探しの彼といえばやはりいつも通りというか、中二っぽくテントの真上で観戦していたようだ。

あっありがとう、幣を忘れてたや…えーっと…ミス・モノクロームだっけ?


「…クローム・髑髏(迫真」
『あ、ゴメン!!間違えたん……あの、そんな落ち込まんといて。冗談だからさぁ…ほら麦チョコあげるから……うん、銀髪が持ってたの拝借してきたから…』


すると彼女は笑顔で帰って行った。なんだろう、彼女にはどうも親近感を感じる。


『ヒバリ、おはよう』

「………今は昼だよ、おはようちひろ」


わかってるよ、わかってるからそんな目でこっちを見ないで!!悲しくなってくんだろ!!と軽くスキンシップの腹パンをお見舞いしてみたが、颯爽と避けていった。くそう、腹のパンチだぞ、別にいいじゃん。



「はじめまして、ボンゴレのみなさん」


『?!?』



背中がゾクリと逆立つ、澄んだ女の子の声。
嫌な目覚めの原因はコレかもしれない、なんか嫌な予感はしてたんだ。

ギュッとヒバリの学ランの端っこと幣を握りしめ、横目でチラリと見てからゆっくりと振り返る。


「…そして、並盛神社のちひろさん。」


彼女は、笑顔だった。


『なんか…見たことある面構えだなぁ…オイ』

でも、誰か分からなかった。


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