006 ひばりんきょーやきそばーがー……あれ?違ったっけ(笑)byちひろ
『うげぇ…ゲホッ。ヒーバリくーん、生きてますかー』
爆発からしばらくして、煙が徐々に晴れたようなので私は恐る恐る目を開く。するとそこには、いつもの応接室の風景ではなく、真っ黒でふさふさの草原…ではなくヒバリの黒髪があった。
よくよく見れば、先ほどの爆風から庇ってくれていたようで、両肘を戸棚につき、戸棚とヒバリとのサンドイッチのように私は挟み込まれていた。 しかも、私とヒバリは悔しいが10センチほどの身長差があるので、今の自分は彼の腕の中にすっぽりとはまり、傍から見れば抱きしめられているように見えなくもない。
『ちょっと、ヒバリ。ちょこっと、チョコ食べたいからどいてー』 ……今の、狙ったわけじゃないよ。
彼のシャツを握り、グッと力を込めてグイグイと押すが、びくともしない。そして私の先ほどの発言に何の反応も示さないところが、なかなかムカつく。 するとヒバリは、ずいっと自分の顔を私に近づけて、彼の前髪が鼻の頭――多分、意図的にパサリとかけられてしまった。 その瞬間、髪の毛が怪我した場所に触れたのか、言いようのない激痛に全身の神経が刺激され私は顔を歪めた。
……何コレ、何のいじめ?
「何、群れてんの?」 不意にヒバリが口を開く。
『や、別に群れたくて群れてたわけじゃねーし。ここに来るまではアレ、不可抗力だったからね、リボーンのただの恐喝だったからね』 「リボーン?」 『黒いスーツ着たちっこいの。あれ、応接室に来てたでしょ?』 「…ああ、あの赤ん坊か」
フ、といつものポーカーフェイスを崩し、彼は口角を上げた。どうやらリボーンを気に入ってしまったようだ。これだから戦闘狂は…
さて、一応言っておくが、私たちはこの会話を顔と顔との距離が1センチ位しか離れていない状態で喋っている。ヒバリが近いことこの上ない。つーか蒸し暑い。
『まぁ、いいからさ、ヒバリンどいてくんない?暑いわボケ』 バンバン、と肩を叩けば彼はムスッとした表情に変えた。なんだよ、ヒバリンってのが気に食わなかったのか? 『ヒバーリンゴ?きょうやきにく?あっ、じゃあさ、ヒバリズミカルきょうやきそばぱんだ!!』 「……これだから君はモテないんだよ」
ゴンッと額に頭突きをされた。 うっせーな、ヒバリ、てめーもどうせモテねーんだろ!顔はよくても性格は最凶だからな。なんだ“最凶”って。中二くさい奴め。
そう思っているのがいつの間にか口に出ていたのか、ヒバリは僕は別にモテなくてもいいんだ、とドヤ顔で宣言をする。
どういう意味か、そしてなぜ彼はドヤなのか、数々の疑問が残ったが素直にどいてくれたので、良しとしよう。
そのあと、ママンが買ってきてくれたシュークリームを食べ、あと残り一つのシュークリームを賭けた争奪戦となりましたが、私は見事ヒバリに勝つことができました。嬉しかったです……あれ、作文?
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