復活 | ナノ




 
 
 
093 とか思ってたらやっぱりいたのさ。



“背に乗りたいのであれば…グッ…ディリテを呼べ…”

『ディッ…呼びにくいな、おい誰だそりゃ。ネーミングセンス(笑)』

“貴様のもう一匹の相棒だろうが、十年後のお前がそう名付けたのであろう”

『何?!私が?!(笑)とか言っちゃったどーしよう(素)』

“(素)ってなんだ、素朴の素か?”

『素敵の素にきまってんだろーが!!チェルヴォ、テメーは匣兵器の中に戻れ!!――えっと、ディ…ディ…ディリオン!!!』


叫べば大量の人間を頭突きによって倒しているクジラがピクリと反応し、スィーッと私の元へと近寄って…


ゴッ!!!


『―――ウッ!!!』

そのまま、どつかれた。
やっぱりね!!!そんな気は薄々していたんだよ、チェルヴォのときだって蹴って来たしね!!!
あれ、私何か悪いことしたっけか。


“ディリテだ、ディリテ。名を間違えたのだろう”

『え、嘘ホントに?』

“本気と書いてマジだ”


あーごめんねディリテ氏。ほんとに、痛かったよ。胃がつぶれるかと思ったもの。本当に。私にもうこんなことをするのは金輪際もうやめようね。うん、一応これでもyouのマスタ…ごめんごめん相棒だっけ、OKOK分かったから、牙をむけるのは止めようか。後ろに下がるのもやめてね。…ちょ、待ってって言ってるじゃんか、別に舞ってなんて言ってるわけじゃないんだからな、ムスカでもないし…ねぇどんどん距離が離れていくんだけど、コレ。ディリテ氏と私の心の距離なんじゃ…待て、早まるな、これまさか助走じゃないだろうな、オイあああああくるなぁぁぁぁヤメロォォォ!!!!


『ウゲフッ』


…ん?思ったより衝撃が軽いな。

ギュッと瞑っていた目を開けば、慣れない浮遊感、そしてヒュゥゥゥゥと少し涼しい風が私の体を撫でていた。


何が、あった。

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