family | ナノ
なんとなく、寄り道をしたい気分。
そんなわけでオレは今、スーパーの袋をぶら下げて河原を歩いているのだけれど…。
「綺麗だなぁ…」
夕焼けで赤く染まる景色を見ていると、自分を取り巻くマフィア関連の出来事が夢みたいに思えてくる。
それでも、首にかかっているリングは本物。ボンゴレ10代目の証。
「あ、そっか……」
オレは怖いんだ。
月日が経ち、マフィアが深く染み付いてしまったら。
誰かを護るための力がそうでなくなってしまったら。
こんなにものどかで平和な並盛にオレは似合わない。
生まれ育ったこの町に、オレの居場所は無くなるかもしれない―…。
「あれ…?」
うだうだと考え込んでいたわりに、足はちゃんと家へと向かっていた。
(もうやめよ)
オレは考えることを放棄して、素直に帰宅を決意した。
「ただいまー」
「あら、ツーくんおかえり。お使いありがとうね」
「うん」
(そういえば、今日はリボーンはいないのか?)
いつもは口うるさい家庭教師が、放課後だというのに一度も現れていない。
(いや、別に現れなくていいんだけどね!!)
恐る恐る部屋のドアを開けると―…。
―――パン、パパン!―――
「ぅわぁっ!」
いきなりクラッカーが鳴った。
「10代目!お帰りなさいませ!」
「よっ!お邪魔してるぜ」
「獄寺君!山本!?」
声のする方を向けば、獄寺君と山本が笑っていた。
「極限にオレもいるぞ!」
「ランボさんもだもんね!!」
「お兄さんにランボまで!」
「ツナ君!」
「ハルたちもいますよ〜!」
「京子ちゃんにハルも!みんなどうしたんだよ?」
なぜだかオレの部屋にはいつものメンバーが集まっていた。もちろん、放課後はみんなで一緒に帰宅したのに。
「10代目!今日は俺達がボンゴレリングを受け取った記念日なんです!」
(んなー!!?また変な記念日作ってる!?)
嬉しそうに獄寺君が報告してくるのを、引き攣りながらも笑って応える。
「オレたちがファミリーになった記念日だからって言うからさ」
「ならば極限祝おうとみんなで集まったのだ!」
山本は爽やかに、お兄さんは胸を張ってオレに伝えた。
「見ろよツナ!親父が寿司作ってくれたんだ」
「はいは〜いっ!ハルも京子ちゃんとケーキ作ってきましたっ!」
「イーピンも手伝った!」
「ランボさんもだもんね!」
「嘘!ランボじゃまばっかり!」
いつからオレの部屋には賑やかな笑い声が響くようになったんだろう。
「忘れんなよ」
「リボーン…!」
「こいつらがお前の護るべき存在で、ここがお前の居場所だ」
相変わらずいつの間に居たのだろうか。でも、リボーンの言葉がとてもよく響いた。
「……ごめん」
俯いて発したオレの言葉に、みんながこちらに視線を向けたのがわかった。
「オレが…みんなを巻き込んでしまったんだ。危険な目に合わせて、戦わせて」
本当は、毎日笑顔で、平和に暮らしてほしいのに…。
「10代目…」
「ツナ…」
「でも…!」
ぐっと力を込めて顔を上げれば、みんなと目があった。
みんなの顔を見渡して、さらに拳に力を込める。
「護るから…!オレが絶対みんなを護る!…こんなオレと一緒にいてくれて…ありがとう」
この気持ちに嘘はない。この気持ちは絶対に忘れない。
オレはみんなの為に戦うんだ。
「10代目!俺はいつまでもあなたについていきます!10代目の護るべきものは、俺の護るべきものでもあるんです」
「ツナ、オレは自分で決めたんだぜ。ダチを護るってな!だからツナ、オレを巻き込んだとか心配するのはやめてくれよ」
「獄寺君…山本…」
「極限にオレもそう思うぞ!オレ達はファミリーなんだ、そんなことは気にするな!」
「お兄さん…」
「ランボさんはずっとツナと遊んでやるんだもんね!」
「イーピン、ツナさんも守る!」
「ランボにイーピンまで…」
「ツナ君、私たちも一緒だよ」
「ハル達もファミリーですからね!」
「京子ちゃん…ハル…ありがとう」
みんなのこと、何があっても守るよ、絶対に。
「オレっちもうお腹ペコペコだもんね!」
「あ!ランボダメ!」
「こんのアホ牛!果てろ!」
「獄寺さん!ランボちゃんをいじめちゃダメです!」
いつの間にか笑い声が響くこの雰囲気が、どうかいつまでも続きますように。
これがオレの仲間…ファミリーなんだ!
family
(ダメツナが、ちょっとはマシになったじゃねーか)
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upは遅くなりましたが、これが初めて書いたリボーン小説です。
「ファミリー〜約束の場所〜」を聞いていたらふと思い付きました。
いや〜、思い付きで書くもんじゃないですね( ̄▽ ̄;)←
中身ぐだぐだ…;
とりあえずボンゴレ大好き!
雲雀さんと骸とクロームを出せなくてごめんなさい(;>_<;)
次は頑張る!←
読んで下さってありがとうございます!