あしあと | ナノ
―――決めました!ハルはマフィアの妻になります!―――
引っ越し先で荷物を片付けていたら、懐かしい日記を見つけました。
「ふふっ!やっぱりツナさんのことばっかり書いてます」
懐かしくなってパラパラとページを捲れば、そこにはあの頃のキラキラした日々が丁寧に綴られていた。
「おい、ハル。キッチンは終わったぞ―……って、何してんだ?」
ハルの日記を除き込むように顔を出してきたのは隼人さん。ハルのフィアンセなんですよ!
「はひ!隼人さん!みて下さい、懐かしい日記を見つけました!」
「日記?」
「はい!ハルがツナさんと出会ってから書き始めた日記です!しばらく見てないと思ってたら、この箱の中に入れてたんです」
「ふーん……」
そう言って、隼人さんはハルの日記をパラパラとめくり始めました。
「10代目の事しか書いてないじゃねーか」
ふっと鼻で笑う隼人さんに、ハルも苦笑しか出来ません。
「でもですね、2冊目からはツナさんだけじゃないんですよ。未来ではみなさんのいろんな面が見れましたから」
アジトでの暮らしは大変だったけど、楽しかったんです。
ツナさん達と毎日一緒でしたしね!
「もしかしてこの箱の中身全部日記か?」
「はい。そうですよ?」
隼人さんはひきつった顔で箱を眺めてますけど、これはハルの宝物なんですよ?
「今もちゃ〜んと書いてるんですから!お嫁さんになってもお母さんになっても続けるつもりですよ〜♪」
「結局マフィアの妻になる夢は叶うもんな」
「でも!ハルはツナさんのお嫁さんになるつもりでしたから、叶ったのは半分です」
「ま、それもそうだな」
隼人さんは笑いながら日記を箱にしまい、箱を片付けてくれました。
「これで終わりだろ?」
「はい!ありがとうございます!」
嬉しくてぎゅっと抱きつけば、隼人さんはハルの頭をぽんっと撫でてくれる。
昔の隼人さんからは考えられないでしょ?
すると隼人さんは、抱きついているハルをそっと離し、車のキーを出して歩き出しました。
「10代目と奥方様が夕飯にご招待してくださったんだ。行くぞ」
「はい♪」
確かにハルの夢は半分しか叶わなかったですけど、いまがとても幸せだからいいんです。
ツナさんのことばっかり書いていた日記が、いつの間にか変わってきたのはあなたのお陰です。
今の日記にはあなたのことばかり書いてるんですよ、隼人さん♪
あしあと
(ツナさんと京子ちゃんにも何か差し入れしましょうね♪)
(たりめーだ。手ぶらで10代目のとこなんて行けるわけないだろ)
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ぎゃあああごめんなさーい!
獄ハル…です。恥ずかしい…(>_<)
大人な二人はフツーにイチャついてそうだなー…という願望。
ツナ京はほのぼのイチャイチャカップル(本人達無自覚)
獄ハルはラブラブイチャイチャカップル(意図的)
なイメージがあります(笑)
読んで下さってありがとうございます!