あたしには夢がある。
それはポケモンマスターを目指すカイトのように明確なものではないけれど…。
「お前の夢って…ジムリーダーじゃないのかよ?」
そもそも夢って明確か?
話しながらこの男がへらっと笑うのはいつものことなんだけど、今日はその表情がなぜだか頼もしかった。
「カイトはきっとポケモンマスターになるの。だから明確」
「へー。相変わらずだな、その自信」
くくっ、と笑われるのに少しムッとするけど、あたしはわかってる。
「でもあたしの弟、ただ者じゃなかったでしょ?」
「ははっ!確かにな。カイトならポケモンマスターになりそうだ」
カイトはきっと、どんな道でも越えていく。
……でもあたしはどうだろう?
ちゃんと進める?挫けない?
ジョウトでは考えもしなかった不安が止まらない。
毎日変わらずワクワクするけど、小さな恐怖があたしを支配しているのも確かなんだ。
「ま、そんなのどーでもいいんじゃねーの?」
「え?」
「あたしは最強になりたいわけじゃないの。ポケモンたちと一緒に頑張って、心の強いトレーナーになりたいの!……って言ってたじゃないか」
「え!?あたしあんたにそんなこと言ってな…」
「オレは確かに聞いたの」
「うそだ!」
「うそじゃねぇって!」
「そんなのあたし覚えてない!あんたにそんなこと言ってたなんて…!穴があったら埋まりたい!」
「埋まってどーする埋まって!」
あーあ、まさかこの男に救われるなんて。
あたしの憧れは昔から変わらない。
追いかけて追いかけて、いつか隣に並びたい。
不安定な夢だけど、やっぱり目指したいものはそこ。お母さんの隣だけ。
まだまだ不安は消えないけど、越えてみせるから。
だから、まだまだ待ってて―…。
なんだこれ← 書いてて訳がわからなくなりました(笑) ちなみにこの男の子はStep by step!のキーマンなのであえて名前は伏せてます。 それにしても本編、まだ1話しか書けてないなんて…すみません。
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