嵐山隊
「あの嵐山先輩、どうして今年は節分のイベントなんてあるんですか?」

「ま、話題作りだろうね。根付さんか唐沢さん辺りが考えたんじゃないかな?」

「でも節分のイベントは初めてだものちょっと楽しみよね?」

「え?綾辻さんもコレに参加されるんですか?」

「うん、勿論!私だって嵐山隊の一員だもの、広報のイベントだから皆と同じ様に参加するわ」

「あ、綾辻さんも一緒?!佐鳥やる気が出てきました!!」

「よしっ!賢、その心意気や良し!お前に大役を任せよう!」

「え?おれに大役?!マジですか嵐山さん!!」

「嵐山さん、それは止めといた方がいいんじゃないですか?だって佐鳥だし」

「私も時枝先輩の意見に賛成です。佐鳥先輩では大役を務められるかどうか甚だ疑問です」

「おいっ!!二人して酷くない?!」

「佐鳥くんなら大丈夫よ、きっと。」

「綾辻ざぁーん!俺には貴女だけですぅー!」

「ところで大役って何するんですか?」

「ん?ああ、鬼とネイバーを足して二で割った格好をして、市内の子供達や大人達から豆を投げられて最終的には俺たちに嵐山隊に派手なアクションでやられるという言わば節分の主役だ」

「……ヒーローショー?」

「……え、それ主役ですか?」

「頑張れよ賢!!」

「わぁ、佐鳥くん主役だって!頑張ってね殺られる役!」

「綾辻さんそんな笑顔で何てこと言うの?!ちょっ、ちょっと俺も嵐山隊の一員なんですけどー!!どうして俺だけ敵役なんですか?!断固反対!!」

「綾辻や木虎達女性に半日その役をやらせるのは酷ってものだろう?」

「う、う。それじゃあ嵐山さんかとっきーが変わってくれたって!!それにこの前も俺だけ被り物役でテレビで全く顔映ってないし!」

「俺も変わってやりたいのは山々なんだが、広報の仕事で隊長がいないのは流石にマズイだろう?解ってくれ」

「佐鳥…これはお前にしか出来ないことなんだ。何より子供や大人達も参加するこのイベントでの成功の鍵は殺られる鬼の役に全てかかっていると言っても過言ではない。空中で降り注ぐ豆という豆を躱し、人と人の隙間を掻い潜って颯爽と逃げ切る…それだけのパフォーマンスが出来るのはツインスナイプがあるお前しかいない!」

「とっきー!!」

「そうね、そんなの佐鳥先輩にしか出来ないわ」

「木虎!!」

「やってくれるな賢?!」

「はいっ!この嵐山隊の一番星の佐鳥がその大役見事にやりきって見せます!皆の期待に応えて見せます!」

「頑張れよ」
(あー馬鹿で良かった。一番星って何だよ)

「応援してます…」
(佐鳥先輩がお調子もので助かったわね。あんな格好絶対にしたくないもの。にしても時枝先輩ツインスナイプ全く関係ないのによく誤魔化し通せるのものね)

「それじゃあ早速練習しないとね」
(佐鳥くん皆が嫌厭する役いつもやってる様な……まぁいいか)

「期待してるからな!」
(無事に決まって一安心だな!!)

「おおーし!やるぞーっ!」
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