玉狛支部
「小南お前今日はえらく機嫌がいいな?」

「何か変な食べ物でも食べたんじゃないですか?」

「ふっふっふ!毎度毎度とりまるに騙されてるけど今年のエイプリルフールは絶対に騙されないわよ。迅、勿論あんたにもねっ!」

「そういや今日ってエイプリルフールか。んで、その根拠のない自信は何処から来るんだ?」

「…迅、あんまりそう言ってやるな。小南のその鼻息の荒さで意気込みは感じられるが…。どうせまた騙されるだろうとか俺達が言う事ではないからな」

「ちょっと!迅もレイジさんも酷くない?!それに女の子に向かって鼻息荒いとか言わないでよ!」

「悪かった」

「っ、分かればいいのよ!」

「こなみ先輩、オレは何の為に呼ばれたんだ?オレがいればえいぷりるふーるに役立つからとか言ってたけど」

「とりまる、迅!あんた達に言っておくわ!今回ばかりはあたしの勝ちよ!あたしの弟子の遊真にかかればあんた達のつまんない嘘なんて立ち所に解っちゃうんだから!もう騙されないわよ!」

「あー、成る程ね。サイドエフェクトか」

「小南先輩よく考えましたね」

「遊真、簡単に言うとだな、エイプリルフールってのは誰かに嘘をついてもいい日、みたいなもんだ。だから今日は彼方此方でみんなしょうもない嘘をついてるんだろうな」

「そんな日があるのか。日本人は面白いことを考えるな」

「日本が発祥って訳ではないらしいぞ?後は嘘をついてもいいのは午前中だけとか人を傷付ける嘘は良くないとか色々あるらしい」

「ほー。楽しそうですな」

「あ、でも変な嘘ばっかりつくなよ?うちには只でさえ騙され…信じやすい奴がいるんだからな。あんまり付き過ぎるとややこしくなる」

「レイジさん了解した。オサムとチカが来たらオレも早速何か嘘をついてみようか。どんな嘘がいいんだ?」

「ちょっと遊真!そんな事よりあんたはとりまると迅があたしに嘘ついてたら教えなさいよ?!」

「わかった。迅さんととりまる先輩が嘘をついたらこなみ先輩に教えればいいんだな?」

「そうよ!ほらとりまる、迅!掛かってきなさい!」

「えー、小南それ卑怯だぜ。というか、その前に俺達はそもそもエイプリルフールに乗っかってまでしょうもない嘘なんてつかないよな京介?」

「そうすよ。今迄の俺と同じだと思わないで下さい。確かに俺はたまに嘘ついて小南先輩を困らせてましたけど、エイプリルフールの今日は逆にあんまり嘘付かないでおこうと思ってたのに……先輩、酷いっすよ」

「えっ?!」

「そうだよなぁ?今日だけはそんな嘘付かないでおこうと思ってたのになぁ?それに小南にはいつも恥ずかしくて中々言えないけど…これでもお前には感謝してんだぜ?そんなお前に向かってつまんない嘘なんて吐いたりしねぇよ」

「俺もっすよ。小南先輩にはいつも感謝してますから」

「まぁ、それなら俺もだな」

「ちょ、レイジさんまで何言ってんのよ?!どうせ嘘でしょ?!遊真どうなの?!どうせみんな嘘ついてんでしょ?!こいつらが感謝なんてするはずないのよ!」

「んー。こなみ先輩、今のところ誰も嘘は言っていない」

「ええーーー?!嘘でしょ?!レイジさんは兎も角、迅ととりまるまであたしに感謝してるなんて!そんな事二人が思ってるはずないじゃないのっ!」

「たっだいまー!買い出しの帰りにそこで修くんとチカちゃんに会ったから一緒に来たよ」

「おかえりなさい宇佐美先輩。修達も」

「おっ、メガネくん達も良い時に来たな!」

「こんにちは、何かあったんですか?小南先輩固まってますけど」

「気にするな。小南に日頃の感謝を伝えていたんだがエイプリルフールで疑心暗鬼になって誰も信じられずに固まってるだけだから」

「そーそー、小南にはこーんなに感謝してるのに信じて貰えずに今俺達は結構落ち込んでんだよ。メガネくんもチカちゃんもさぁ何か言ってやってよ」

「あの小南先輩…私も先輩に色々と教えて頂いてるのでいつも感謝してますよ?」

「え、あの!俺もですよ!」

「オサムにチカまで!二人してもうやだわ!何言ってんのよっ!感謝してるだなんて……もう照れるじゃないのー!!」

「えーそう?勿論私もだよ?小南には感謝してるよー?」

「栞まで!本気かもしれないけど今更恥ずかしいじゃない!やめてよ!みんなしてもう何か照れるから止めてぇーっ!」

「小南先輩っ?!」

「あー、こなみ先輩走ってどっか行っちゃったな。みんなちっとも嘘なんて吐いてなかったのに」

「顔真っ赤だったねー。小南ってばあんなに照れなくてもいいのに。全く、可愛いんだから」

「小南先輩相変わらず足すげぇ速いっすね」

「だな。まぁ腹が減ったら直ぐに帰ってくるだろ。雨取も修もこっちでお茶入れてやるからでも飲んでろ」

「ありがとうございます」

「すいません。レイジさん手伝います」

「ん?あ、レイジさーん…小南が走り回って腹減らして帰ってくるっぽい未来が見えた!だから今日の夜飯はいつもより沢山いるぜ」

「さっきの買い出しの分だけで間に合うかなー?」

「大丈夫だろ。誰か野菜を切るのだけ手伝ってくれ」

「レイジさん俺がそれやりますよ!」

「修か。いいのか?じゃあこれ頼むな」

「レイジさんオレも手伝おう」

「私もやります!教えて下さいっ!」

「お、そうか。二人にはこれを頼む」

「………」
(玉狛は今日も平和だなー)


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