ことのはじまり


海上自衛隊呉基地―――


『・・・イージス艦が失踪?』

すらりと、引き締まった身体にキチッ、っと着こなされた制服。


外人のような真っ白な肌にブルーの瞳がギラリと光を灯す。



「はい、つい2週間前には海上警察の船が、そして大和まで・・・。」
『悠真から聞いたが、その失踪地点・・・レーダーから消えた地点が謎だと。』
「はい」

部下と思われる男は返事をした後、大きな地図をある人物の前に広げる。瀬戸内海が示されている真っ青の地図には、色々な航路図が描かれている。そして、その航路図が密集し、交差しているところに大きな"×"。



「失踪した戦艦、計5艦の失踪地点が全て此処の座標で一致しているんです。」
『・・・そんなこと、あるんだな。』
「はい。ちなみに部下に確認させにその座標へ偵察に向かわせたのですが・・・・」



彼の表情が曇る。ということは、計5鑑のうちの1鑑だったようだ。まさか本当に彼の身近で起こると、身を持って思い知ったようだ。



『ハハッ、元気だせ。"死んだ"んじゃねぇんだ。"消えた"のだから。』
「・・・お見苦しいところを。」
『あぁ、気にするな。おい、瞳!イージス鑑を明日押さえておけ。悠真と私と瞳で行くぞ!』
「御意。」
「なっ・・・!!?」



まさかの超非現実的な出来事に身を突っ込む発言に、彼は動揺を隠し切れないようだ。



『ん?あぁ、まさか少佐が死ぬなんて考えてんじゃないんだろうな。』
「まさか・・・!しかし、少佐――!!」
『大丈夫だって。深く考えるな。





もし、私が消えたら、他の奴等が帰ってくるかも知れないだろう?』


「・・・お気を付けて」
『後は任せたぞ、少佐補佐官。』
「・・・へっ?!!」


さらりと凄い言葉を、与えられた彼はさらに動揺し、彼女が部屋から去った後、悲鳴を上げた。



「っていうか、あんなに簡単にいいんですか。」
『?何がだ?』
「(ボソッ)やっぱ馬鹿だ。・・・いや、少佐補佐官なんてそんなやすやすと。」
『上が認めたんだ。彼はやってくれるさ。きっと。』
「(いや、それはいいけど一応私、上司の愚痴こぼしたけど、いいの?!)」



白人の彼女が、廊下を通るとすれ違う隊員が黄色い悲鳴を上げる。彼女はほぼスルーだが、瞳と呼ばれる女性は目つきを悪くしている。まるで寄ってくる虫を追い払うように。



「やっぱり六条少佐、かっこいいよねー!!」
「あの補佐の子、やっぱりにらんでるわよね・・・。仕方ないか。少佐がかっこいいのが悪いんだもの。」←






六条 #NAME2#

全てにおいて完璧な女性を巻き込んだ、瀬戸内の海賊とのお話。





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