「うわぁぁぁぁぁぁあああ」
「どうした、日向!」
作戦会議の途中、突然日向が頭を抱え込み悲鳴を上げた。
天使の襲来かと思い、とっさに構えるが何も起きない。
「ちょっと、どうしたって言うのよ」
呆れたゆりが日向の頭をどついた。
だが、日向は突っ込みを返すこともなくうなだれたまま。
「俺は…俺はなんて馬鹿だったんだ!」
「はぁ?何よ今更。わかってたことじゃない」
そうじゃないんだ!と言って、音無を指差した。
なにか後悔に苛まれるような目で。
勢いよく指差された音無は、一歩後ろへ後ずさった。
そんな音無を庇うように直井が赤い目を光らせている。
「兎に角、音無君がなんなのよ」
「音無がこっちに来た初日…いや、正確には次の日」
手を戦慄かせる日向に、メンバーが息をのむ。
校長室ではSSSに珍しいほどの緊張感が漂っている。
「音無の…」
「俺の…」
聞かされる本人としてはさっさと言って貰いたい。
「裸を堂々と見てたんだ!!」
「………は?」
そのまま日向は両手で顔を覆い隠し、わんわんと鳴き始めてしまった。
「裸って……いつの話だ?」
生前はともかく、此方に来てから人前でそんな破廉恥な格好をした覚えはない。
「あれじゃねぇの?最初に着てた制服が野田にボロボロに刻まれてた…」
確かあの時藤巻は隣に立っていた気がする。
あぁ。と何処か遠い目で音無は納得した。
「あの時はまだ音無のこと意識してなかったから、綺麗な体してるなーぐらいしか思ってなかったんだ!!見えそうで見えない乳首にちょっとドキドキさただけで、ちゃんと見てなかった!おまけに俺の音無の裸体がこんな奴らの肉眼にむざむざと晒されてたなんてっ!!」
誰も動かない口を利かない日向から目をそらさない。
そんな空間が一瞬にして出来上がってしまっていた。
音無に至っては、青筋を通り越して顔全体が青ざめてしまっている。
完全にどん引き状態。
かわりに、怒りで拳を握りしめているのは会議を中断されたSSSリーダーのゆりだった。
「直井くん」
「…なんだ、愚民」
「あれ、殺していいわよ。積年の恨みとかあるでしょ」
「言われるまでもない」
過去の自分を殴りたい
切り刻まれた制服を見て、一瞬なんのプレイかと思ってしまった(^w^)あのときすで神話(※第2話)は始まってたんだ…