400%果汁






私の家族であり、兄弟であり、恋人になってしまった弟がデート(と本人が断言してるい)は、人の多い場所が好きだと知ったのは最近。

最初は気にならなかったが、休みのたびに連れて行かれ場所が人の多い場所では気が休まらない。おまけに、何の疲労回復にもならない。





「春…休みの日ぐらい、家でゆっくりさせろよ。」

いつもの休日通り、朝早くから押し掛けてきた春に泉は早くも困憊していた。

「休日が終わるまで、あと15時間しかないだ。寝てるだけなんて勿体ないじゃないか」

それは、仕事の休日を自由にとろる春だからこその考えであって、泉にとっては迷惑以外の何者でもない。
だが、だからと言って、そこで「はい。そうですね。出かけましょう」と言えるほど泉も優しくはなかった。

「そもそも、なんでお前は自分から人混みに行きたがるんだ」
なんだ、そんなことかと言いながら、二度目の睡眠に入ろうとする泉の布団を優しくはぎ取っていく。

「周りに誰かいるぐらいが、ちょうどいいんだ」

「何がちょうどいいんだ」

呆れたように泉が言うと、春は唇を綺麗に歪ませた。





「兄貴と2人っきりなんて、抜け出せなくなりそうだから」

そろりと這う指先に、太股をなでらるながら、泉は春の本性を垣間見た気がした。











(400%果汁って知ってる?)
(水でうすめるアレだよ)















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