カフェオレのような世界で君と
ZC/日記log




ふわりと髪をなでる手が心地良い。温かさがじわりと広がっていく。
夢現を彷徨っていた意識が浮上していくのがわかる。

ゆっくりと瞼を開きながら、その手を優しく握りしめる。

「あっ……」

「おはよう、クラウド」

甘えるように両手で握りしめた手を頬に当てる。
温もりに絆され、白い甲にキスを落とす。
そうすれば、頭上から困ったような吐息が聞こえてきた。

「ごめん、起こした?」

「いや、意識はあったよ」

そう言って上半身を起こす。
クラウドの小さな顔を自分の大きな手で触れ、お互いの顔を覗き込む。
額に唇で触れ、下の方へ何度も落としていく。

そして最後に唇にキスをする。

荒ぶる日常が欺瞞であると錯覚しそうなほど、甘く穏やかな時間。

温もりを奪い続ける自分には、温もりが与えられる。
なんて不公平な世界だろう。
可笑しくて、ひとり嘲笑を浮かべる。

「なに、笑ってるんだよ」

「いや、神様は酷いなと思って」

「なにそれ」

意味分がからないと子猫のようにじゃれついてくる様は、とても可愛らしい。
ふわりと指通りの良い金糸が、クラウドの動きに合わせて揺れ動く。

クラウドの手を引っ張って柔らかいベッドに、再び身を預ける。

「もちろん、二度寝するよな?」

クラウドを抱える手とは反対の手でシーツを肩まで引きずりあげた。

次に目覚めるの腐敗した世界か、白のような温もりの世界か。
それでも、必ず目は覚まされる。

「おやすみ」





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