ZC+S/日記log
「いたい!!」
近年稀に合う激痛に出た悲鳴はあまにも間抜けなものだった。
それでも、痛いことに変わりはない。
全身の産毛を逆立て、飛び上がらんばかり勢いでその場から飛び退いた。
第ニの急所と言っても過言ではない尻尾を踏まれたのだから悶絶しかねても不思議じゃない。
「ザックス!」
驚いて駆け寄ってくるクラウドに少しばかり痛みが鎮静されても、すぐ側で仁王立ちに見下ろしてくる視線に別のところがズキズキと痛む。
「たかが、尻尾を踏まれたくらいで悲鳴を上げるなどとは情けない」
反省一切なしの言いがかり。
軽く凹みそうになりながらも、しっかり威嚇する。
「ザックス、大丈夫か?」
クラウドがザックスの尻尾を労るように優しく撫でる。
「やはり神経は通っていたか。次は耳でも引きちぎってみるか」
珍しく好奇心モードの我等が英雄様も、今は迷惑以外の何者でもない。
ザックスは背中に冷たい汗が流れていくのを感じた。
「セフィロスさん、流石にそれはちょっと…」
躊躇いながらも、一応意見してくれるクラウド。
あぁ、なんていい奴なんだ。
「どうしたクラウド、こいつが心配か?問題ない。子犬が犬に成り代わっただけだ。ザックス、今頃アンジールが涙を流しているぞ」
良かったではないかと、一人納得して当たり前のように事態の正当化を誘発してくる。
「泣いてるだろうな………別の意味で」
もはや返す言葉なし。
英雄様は強いのは精神面もでした。
「次は牙でも生やしてもらう
か?駄犬」
「………わん」