ZC/現パロ/高校生+幼なじみ
学生にとって待ちに待った夏休み。
日頃できないことに挑戦できる大切な時間。
だから、俺達はある計画を立てました。
「俺たちって、何でも限られてるよな」
無事三年生に進級した春、ふっとクラウドが口にした。
「…なにが?」
「だって、俺たちこの街から出たことないから」
「あぁ…確かになぁ」
それは幼稚園から引き続き、14年という最長記録でザックスとクラウドは、またクラスが一緒になるという快挙を成し遂げた春。
「なら、行ってみるか?」
「…へ?」
「だからさぁ、今から夏までバイトして金貯めて、夏休みに旅にでる」
たっぷり1ヶ月使って、自分たちはどこまで行けるか。
もし、やるとしたら今年が最後の機会だ。
「どう?」
「いいかもしれない…うん、やりたい。やろう!」
「おう!」
というわけで、俺たちの夏休みが決まった。
それからはあっという間で、バイトにテストの繰り返し。
そして八月一日。
「どこまで行けるかなぁ…」
「けっこう行けるだろうな」
青空が眩しい真夏日よりに、地元の駅に座る二人の手には片道切符がしっかりと握られている。
荷物は最低必要源に纏めて、サイドポケットには買ったばかりのペットボトル。
「お、電車来たぞ!」
「ザックス、忘れ物は?」
「それ今更聞いてくるか、ふつー」
電車きてんだから、どのみち引き返せないだろ。
それも、そうだ。
ゆっくりと停車していく電車の前に立ち、扉が開くのを待つ。
「さてと、行きますか」
「行っちゃいますか」
(片道切符)
(俺たちはどこまで行けるのだろうか)