Forest in which it doesn't sleep
CC/ZC前提




立ちすくむほどの厳かな存在。
呼吸さえも憚られるような静寂と沈黙。
溢れかえる生命の瞬きが世界と空間を遮断するよで。
古き賢者たちに問われたような気がした。


どうするのだと

なぜあがくのかと

存在とは何か



答えることはできなかった。
どの答えも、今は必要ない。
ただ自分は歩かなければならない。
だから、この歩みを止めるつもりはないと言った。
そして微笑む音を聞いた。





彼女なら、この話を笑わずに聞いてくれるだろうか?





自分達を誘う風に身を任せれば、覆い茂る葉の隙間から空が見えた。
目がくらむような青さに、口端が緩むのがわかる。
空を見上げたまま歩き続けた。

「なぁ、クラウド」

話しかけようと、クラウドを見て泣きそうになった。

虚ろをさまようクラウドの瞳が空を映していたからだ。
それは昔となってしまった日々の彼の瞳そのもので。
なんども見つめては困らせた色で。




「やっぱりクラウドの目は空だったんだ」




自分の記憶がまた一つ肯定された。
クラウドと過ごした日々は、自分にとって特別だったという証。


「俺は、まだ歩き続けるよ。おまえと一緒に」








(眠らない森)

(あの優しい森は、これからもあの場所にたたずむのだろうか)





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