同じクラスの名字なまえは何かが変だ。
「どしたん?具合悪いなら肩貸すけど」
「…ありがとなまえちゃん、」
「いーよ別に。お前意外と重いね」
「ぶっころす…」
「んはは」
例えば、クラスメイトの体調が悪い時。
「は?」
「なんだよ」
「誰か大至急窓を開けて換気をしてくれ。空気も悪いしお前らの顔は特に悪い」
「誰が不細工だ!おい名字待てコラ!」
「なんかやる気失せたわ…」
例えば、廊下で誰かが喧嘩を始めた時。
口も悪けりゃ見た目も派手なあの女。臆病な奴らには怖いと遠巻きにされてもおかしくないような女なのに、どこへ行っても違和感なく すっぽりその場に納まる愛されキャラなあの女。
名字なまえは妙に空気が読めるやつだった。それはもう、気味が悪い程に。
同じクラスの名字なまえは何かが変だ。
「なまえどしたー?」
「あ、いや…」
『ーー門発生、門発生。市民の皆様は…』
例えば、名字なまえが空を見上げたその直後に門が開いたり
「うわー結構いっぱい開いてんねー。確か今日あそこ担当してんのは…二宮隊か。なら大丈夫だわ。安心安しーん」
「私ちょっとトイレ」
「ほいよー」
例えば、あんだけ周りの空気が読めるくせに、思ってる事が直ぐに顔に出るところ
「なー小佐野。あいつってもしかして」
「それ以上は触れるでないよ」
「あれ気付いてたの?誘わんの?」
「なまえが聞いてきたら教えるし誘うけどねー。聞かれてもないのに話したら"入れ"って言ってるみたいじゃーん?」
「確かにそーね」
「ねー。うしっ、怖がってる親友のために中庭ベンチ強奪戦にでも参加するかー」
「小佐野は友達思いの良い子ねぇ。オレも強奪戦手伝っちゃおっかなー」
「着いてきな」
同じクラスの名字なまえはサイドエフェクトを持っている。
「9番…ってどこだ?」
「あら、もしかしなくてもオレの隣?」
「あ、米屋くん」
「お隣さんよろしくね、呼び捨てでいーよ」
「うん、よろしくね。荷物取ってこなきゃ」
「早く戻ってきなさいよ〜アタシずっと待ってるからね〜」
「なに言ってんのお前」
オレにはよくわかんねーけどさ、人の顔色ばっかり伺って生きるのって楽しいの?まあお前がそれでいいってんならそれでも別にいいけどさ。お前がお前らしく、自由に気楽に生きれる場所、多分オレは知ってるぜ。
「米屋助けて…置き勉しすぎて持てん…」
隣の席の名字なまえはサイドエフェクトを持っている。
「バカだなぁお前。早く来いよ」
息のできる場所に