なかよしこよしでまた明日(西谷)

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「誉ちゃーん。あーそーぼー」

『ええよーめいちゃん何持っとん?』

「ウチ、リンゴ買うてきてん
 ロビン・フッドごっこしよ」

『なんやのそれ』

「頭の上に乗せたリンゴを弓で射るねん
 頭に刺したら負けやで」

『ええのう!弓無いからドスにしよかー。おい、橋本そこ立ってろや』

「設置オッケーです
 よっ誉ちゃんのちょっといいとこ見てみたい!ドース!ドース!ドース!
 イエーイ流石誉ちゃんやぁ!」


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「誉ちゃーん。サブマシンガン貸してー」

『そないなもんあるかいな!』

「えぇーセーラー服と機関銃ごっこしたかったんにー」

『拳銃ならあるで』

「ほんま!?じゃあ太陽にほえろやろうや!撃つマネするから『なんじゃこりゃあ』って言ってな」

『ワシもそれ好っきやわぁ
 かかってこいやぁ!(バンッ)ってホンマに撃つ奴があるかい!』

「あっはっはごめん間違うた
 当たってへんやろ?
 流石誉ちゃんやぁ!」


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「なぁなぁ昨日のマジシャンのTV見た?
 なんで箱に剣刺しても大丈夫なんやろ

『体やわぁて避けてるんや』

「うせやん!
 ほなここにある箱で試してみて」

『ええでー。ちょお橋本ドス持ってきて。あとここ入れや』

「誉ちゃん橋本クン逃げたで」

『ワシの言う事が聞けへんのかい!
 待てやコラ!』

「鬼ごっこに変更やな。
 頑張れ誉ちゃん!」


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「誉ちゃん聞いて!友達が男女の友情なんて無いゆうんやけど!ウチと誉ちゃんは友達やんなぁ!?」

『せやで。でもいつもめいちゃんにツッコみたい思てるわ』

「うわぁ…信じられへん……。裏切られた」

『ちゃうがな!男と女が一緒に居ったらやる事は喧嘩かセックスやろがい!』

「どっちもしとらんやん。仲良う遊んどるだけや」

『それもそうやな。
 ほな試してみよか』

「な、なにを?」

『セックスしても友達のままで居られるかや』

「いえ、結構です」

『そんな遠慮しいな。ほれソコにホテルあるから行こかぁ。あそこ硬くなってきてしもたー』

「え、ちょ、冗談やろ?
 な、冗談やろ?ちょ、待っ… 」


『今夜は寝かさへんでぇ』


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約束なんかしてないから今日も誉ちゃんの所に突撃したのに
出迎えもない


「なぁなぁ誉ちゃん最近冷たない?ウチまた前みたいに馬鹿して遊びたいんやけど」


嬉しそうに『 めいちゃーん』と呼ぶ声も無い


「夜中に家来てもええんやで。シャワー浴びながらせくしぃーに待っといたる」


アピールしとるんやからリアクションせぇや


「面白い奴見つけた言うとったけど、ウチより面白かったん?ジェラシーやわ」


ちょっと遊んでまた戻ってくる思てたのに


「友達の言ってたこと今ならわかる。
 なぁ誉ちゃん、誉ちゃんの事大好きやったよ」



手を伸ばしても四角いシルエットにあの男のぬくもりは無く
供えられた煙草のにおいだけが少し記憶を揺さぶった
その石の向こうには離れて待つ橋本クンが見えた
わざわざ連れてきてくれた親切な彼を待たせるのは悪い


「また明日な、誉ちゃん」


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