EVERY TIME YOU 2 | ナノ
EVERY TIME YOU


最高の声で最高のaccessを見せてくれたヒロは、そのあと更に僕にさんざん鳴かされて今は気持ちよさそうに眠ってる。


ステージではもちろんみんなのヒロで。
今ここにいるのは僕だけのヒロ。

なんだけどね。

ちょっと今日はヤバかったんじゃないかと思う。

NIGHT WAVEでの「いくよ」から、そのあとの煽りとか。
ちょっとみんなに聴かせるにはエロかったんじゃない?

僕でさえ手が止まるかと思ったし、あの場で押し倒したくもなったし。
誰かさんなんて「ちょっとトイレ」とか言ったんじゃないの?


本当にもう、自分が魅力的だってわかってるくせに。
もうちょっと警戒心持ってないと困るよね。

なんて。
今度は軽く溜め息を吐いて、僕はラジオを切って寝室に戻った。





「ん…大ちゃん?」

ベッドの端に座ると、軋んだ音にヒロが目を覚ます。

「何してたの?」
「ん?ラジオ」
「…聴いてたの?」

ヒロは少しだけ眉をひそめてから、体をずらして僕に場所を空けてくれた。

「ありがとね。ピンチヒッター」

ベッドに潜り込んでヒロの体を抱きしめる。

「わざわざ聴かなくてもいいのに」
「なんで。ヒロも聴いて欲しくて大ちゃん大ちゃん言ってたんでしょ」

今週は大分慣れた感じもしたけど、先週の一生懸命なのも可愛かったなぁ。

「また何かあったらよろしくね」
「もう。でも大ちゃんのためならがんばるけど」


20年、離れていた時期はもちろんよくあのスケジュールをこなしていたなぁと今では不思議に思うあの頃も。

自分の仕事を誰かに任せるなんて考えたこともなかった。

それができるのは今のヒロだから。

もちろんふたりでひとつのaccessだけど、あの頃とは違うのはそれぞれがaccessだということ。

たとえ違う場所にいても確かに同じ方向を見ていると思える。

上手く言えないけど、そんな感じ。


もちろん離したりしないけどね。


「今日のヒロさ、すげーエロかったよね」
「ラジオ?」
「じゃなくて。ライブで」

柔らかい髪を撫でるとまた寝てしまいそうに目をとろんとさせる。

表向きとは違うその無防備な姿にいつでも嬉しくなる僕は単純で幸せ者なんだろう。

「甘えた声出しちゃって。僕に抱かれてるときみたいだった」

うとうとしかけたヒロの頬に触れて顔を上げさせて、口唇を重ねる。

キスをくり返していくと敏感なヒロの体はそれだけで熱を持ち始める。

「や、もぅムリ…何回すんの」
「ヒロが可愛い声みんなに聴かせるから。お仕置き」
「わけわかんないって……あっ」

舌と口唇を使って愛撫をしながら掌を脇腹の方へ滑らせる。

20代半ばのあの頃から全然緩んでいない、むしろもっと締まったような綺麗な腰のライン。

ずっと変わらず綺麗なヒロは、ずっとずっと変わらずに僕だけを愛してくれてる。

これ以上の幸せなんてない。
絶対に誰かに譲ったりなんてしないし、渡すわけがない。

「ヒロは僕だけのものだからね」
「わかってるよ…だから、早く」

いつの間にか余裕がなくなってるのはヒロの方で、そんなヒロが可愛くて堪らない。

「もう我慢できなくなってるんだ?ほんとエッチだね、ヒロの体は」
「…大ちゃんがそうしたんだよ」

そんな可愛すぎるヒロに、やっぱり余裕がないのは僕の方みたいだ。

「もう、すっごい可愛い」
「あ…んっ」

一気に奥まで入り込んで動きを止めると、ヒロはもっととねだるように僕の腰を抱きよせる。

「あ…大、ちゃん…っ」
「どうして欲しい?」
「ん…もっとぉ…」

ねだられればそれだけ、いくらでも与えてあげる。

だからもっともっと欲しがって。
僕を求めて。

「よかった。やっぱり全然違う」
「ん…何、が」
「ヒロの声。みんなに聴かせたのより、ずっとずっと可愛い」

いつもいつも新しい顔を見せてくれるヒロに、僕は何度でも恋をする。

ずっと変わらずに愛してくれているのに。
それでも足りないと思ってしまうのは毎日違うヒロに恋してるからだろうか。


何度も何度も抱き合って、確かめ合う。

全部見せてよ。
ずっと、僕だけに。


「ね、もうイキそう?」
「んっ…や、もうイク…イッちゃうよ」

ステージでぶっ倒れるかと思ったほどにエロかったのに。
今の方がもっとエロいってどういうことだよ。

「いいよ。気持ちイイ声聴かせて。顔もちゃんと見せて」
「や、だ…あ、あ…!!」

顔を隠すように僕に抱きつこうとしたヒロを許さずに体の下で押さえつけて、ヒロの感じる場所を攻めたてる。

「あ…もぅ、大ちゃ…っ」

最後に僕を呼んで果てたヒロは肩で息をしながらぐったりと体を投げ出している。

その姿に、僕は何度でもその気になれると思った。



ずっとずっと変わらず綺麗なヒロを、誰よりも輝かせてあげられるのは僕だって自信を持って言えるけど。

ヒロの一番綺麗な表情とイイ声は僕だけが独り占めするんだ。


End.

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