2014-12-9 Tue 23:55
「そういえば土方さん。土方さんって、ゴムなに使ってますか?」
「ゴム……だと…?!」
沖田が悪びれる様子もなく聞いたので、土方一瞬なんのことか理解が追いつかなかった。
「やだなぁ、とぼけないでくださいよ。夜の、ゴムですよ。」
沖田は親指の人差し指を擦り合わせた。
なんとも言えない動き。そして夜の、と付けられれば土方はその内容をようやく理解した。
「……誰がお前に教えるか。」
「教えてくださいよ、つまんないなぁ。……あっ、左之さんは?ゴムなに使ってますか?」
「俺は使わねぇよ。」
「うわぁ、参った。僕もいつか言ってみたいセリフだなぁ。」
さすがは原田だ。この一言で全てを察知し、爆弾発言をぶち込んできた。
「原田ァ、その主張を女の前でしたらぶっ殺すからな……。」
感激する沖田をよそに、土方は拳を強く握りしめた。
鉄拳制裁、目前だ。
ただ自分が、潤滑ゼリーがたっぷりついたものを使っているとは誰にも言えなかった。
2014-12-9 Tue 11:37
「総司、少々聞きにくいのだが……」
「なあに、はじめくん。」
神妙な面持ちで話を切り出した斎藤に、沖田は少し困惑した。
何でも言い合ってきた仲だ。今更話しにくい話題などないような気がした。
「その、……アレだ。夜に……使う、…ゴム……というのは、どこで買えばいい。」
斎藤の微妙な手つきが全てを物語っていた。
「ああ、なに?ついにはじめくんも、脱童貞?おめでとう、僕のでよければお裾分けするよ。」
沖田は大きな箱を徐に取り出すと、そこから一つ小さな袋に包まれたソレを差し出した。
「いつも突然だからホテルに備え付けのかコンビニで買っちゃうんだよ。だから余って仕方なかったんだよければ使って、はじめくん。」
サガミオリジナル0.02と箱に記されていた。
2014-12-9 Tue 0:57
「あら可愛いクマさんね。」
「えへへ、いいでしょ!歳三叔父様から頂いたの!」
赤いリボンを首に巻いた、テディベアを抱え階段を駆け下りた。
もうすぐお夕飯の時間。
歳三叔父様のお顔をようやく見ることができる。
「本当にあなたは、歳三叔父様が好きなのね。」
「もちろんよ!歳三叔父様はいつか私を迎えにきてくれるって仰ってくださったの。それまでにキレイにならなくちゃ!」
幼い時の、記憶。
あれから私は成長して、年頃の娘になった。
舞い込んできた、お見合いの話。
結局叔父様は迎えにきてくださらなかった。