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カイリュー(ワタル)に食べられるニンフィア


※ワタルはカイリュー、あなたはニンフィア設定



「ミシャ、おいで」

わたしはしがないニンフィア、棲家の森で大人しく暮らしていたはずなのにどうしてこんなことに。逃げるように駆け上がった木の下で、両手を広げているカイリューに眩暈がしそうだ。

「いやです、どこか行ってください」
「おかしなことをいう、俺がいなくなったら困るのは君だろう」
「困りません」
「今年もシーズンをひとりで過ごすのか」

グレイの瞳がわたしの恥ずかしい所を暴くような鋭さをもって見つめてくる。…シーズンなんて体の良いことを言って、…要は繁殖期だ。ポケモンたちはみんな番(パートナー)を見つけて蜜月を過ごす。だけどわたしは、去年も一昨年もずっと独りで棲家に隠れてきた。そのせいで変ポケ扱いされているというのに、…このカイリューはそんなわたしをパートナーにしたいという。

「寂しいだろう、俺と一緒に居よう」
「余計なお世話です」
「ミシャ」
「ドントタッチミー!」

わたしのリボンの触覚に触ろうとするから、逆の触覚で手を払い落とす。いくら相手が伝説に片足を突っ込んでいるカイリューだからと言って臆したりはしない、わたしはニンフィア。フェアリータイプは、ドラゴンタイプに有利な技を沢山覚えている。

「_____ハァ、仕方ない」
「…?」
「ミシャ、先に言っておくがこれは君に責任がある。俺が優しくしている内に、君は素直になるべきだった」
「なにを え、 ちょ」

すうと先ほどまで穏やかに笑っていたカイリューの顔から表情が抜け落ちる、____あ、やばい。背筋に冷たいものが走るのと、彼が地面を踏みしめて思い切り木の幹を殴るのは同時だったと思う。

「    」
「…こうして君に触れるのはどれくらい振りだろうな」

そう言って、蕩ける様な微笑みを浮かべてわたしの額にキスをする。あまりにもうっとりとほほ笑むから、…すわ気を抜けば、相手が木を殴ると言う力業でわたしを落としたしたオスであることを忘れてしまいそうだ。

乱暴に振り落とされた衝撃で、未だに全身の毛が逆立っているわたしを慰めるようにカイリューは何度もキスをする。いやいや、勘違いしないで欲しい、わたしはあなたの所為でとてもこわい思いをした!

「は____はなして、ワタルさん!」
「なぜ」
「なぜがなぜ」
「君が大人しく俺の巣に着いてきてくれるなら下ろしてもいい」
「そんなわけないでしょ!」

触覚できゅっとカイリューの頸を絞めて威嚇するも、彼はちっとも気にした様子を見せない。なんかとても悔しい、これが噂に聞くレベル差というやつなのだろうか。その内に、彼の背に生えた山吹色の翼が広がってしまう。

このまま上空に飛び立たれてしまったら、完全に逃げられなくなってしまう!わたしには地を駆ける足はあっても、空を飛び回る翼はないのだ。イチかバチかとフェアリー技を放とうとしたが、それすらお見通しであったようで…カイリューがわたしの背を支えていた手で、身体ごと引き寄せると…お口を、塞がれてしまった。

びっくりして噛みつくこうと口を開いたらぬるりと厚い舌が入ってきて、わたしの舌に先っぽを擦りつける。少しだけ先の割れた二股の舌に挟まれてゆっくり舐め上げられる、感じたことのない感覚。粘膜が触れ合う生々しさがイヤで逃げようカイリューの体を押し退けるがビクともしない。

そのうちにも彼の舌は、まるで別の生き物のように動いてわたしの舌を嬲る。触れあう度に尻尾の辺りがぞわぞわするのが嫌で、人の口の中を好き勝手する彼の舌を自分の舌で押し退けようとするが、それを待っていたようにカイリューがわたしの舌に噛みついた。

一瞬そのまま噛み千切られると体が強張ったが、カイリューは八重歯でわたしの舌を食んだ。そしてあろうことか、わたしの舌にちゅうと吸い付いてくる。カイリューはまるで舌が美味しいものみたいに吸ってはイタズラに食んで、なすがままのわたしに追い打ちをかけるように深く重ねるキスを。舌が触れあう度に、そこから身体が溶けてしまいそうだった。

顔も体も真っ赤に染めて、すっかり骨抜きにされたわたしを見て、カイリューが満足そうに笑った。

「この時をどれだけ待ち侘びたか」

言葉の意味はわからない、だけどわかることがある。きっとこのシーズンは、彼の巣で過ごすことになる。

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