OTHER(game) | ナノ

同契したエディルレイドKnightsが女体化するはなし


※エディルレイドパロ、お相手は瀬名
後天的にKnightsは女体化、あなたは男体化するはなし



「Good Nightチアキ。見て、とうとう完成したよヨ!この薬があれば、エディルレイドの寿命を同契者と同調させ長寿をえられるはずサ!」
「おお、等々完成したのかナツメ! まったくもって良く解らんが…とにかくすごいな!」
「この薬は同契を介して、エディルレイドと同契者の遺伝子情報をエクスチェンジするのサ。…まあ理論上はだけど…だけど常に技術の発展に犠牲は付き物だからしかたなイ! さあチアキ、これを君のエディルレイドで試してみてヨ!」

その時、タカミネに電流走る。あ、このままじゃ俺死ぬ。ていうか殺される。
確かに日々鬱だ死のうが口癖のタカミネであるが、こんな天然アホどもに殺されるなどもってのほかである。しかもナツメ…アークエイル所属のこのマッドサイエンティストは、事ある毎に変な薬や道具をつくり、確実に厄介事をばら撒いて来たという嫌な実績があるのだ。そんな人間が笑顔で渡して来るものが何を意味するのか、考えるだけでもぞっとする。

「よし、タカミネ! これを  」

満面の笑みで振り向いて来たチアキの手を、タカミネは迷いなく叩き上げた。ナツメとチアキの視線の先、感情を殺したタカミネの頭上をあやしげな薬の入ったビンが舞う。それは美しい弧を描いて廊下の向うへ、そして…

「… もっと確りしな、カサくん。だからドジルレイドなんて呼ばれるんだよぉ」
「うっう わ、私だって好きで何もないところで転んでいるわけではありません!」
「まあまあツカサちゃんもイズミちゃんも落ち着いて、せっかくの可愛い顔が台なしよ」
「可愛い顔とか、男に何言ってんのナっちゃん。まあ今更か〜」

「あー!」
「あ」
「キタキターーっ!!」

「は?」

セナが訝し気な顔で声のする方へ視線をくれるのと、四人の頭上でバリンっとビンが割れるのは同時だった。






「〜〜〜〜〜っバッカじゃないのぉぉおおお!!」

事のあらましを聞いたセナが、顔を真っ赤にして怒鳴り声をあげた。
ガンッと机を叩く拳は常よりも随分と小さい。…セナといえば、最近アークエイルの契約保護官となった凄まじく腕の立つ女…「ことり=水梨のエディルレイド」と知らぬ者はいない。それは彼自身の高い能力にもよるが、銀の髪に天青色の瞳…老若男女を魅了する清廉された白皙の美貌が、その知名度に拍車をかけていた。

今もその美しさは変わらない。だが、セナは確実に“彼“ではなくなっていた。すらりとしていた体格はすっかり縮み、腕や足は柔らかい肉に覆われている。短い銀の髪は猫のようなクセをそのままに腰辺りまで伸び、鋭い目元は少し吊り上っているだけのクルミのような瞳に様変わりしている。自慢であったテノールもどこへやら、いまはどこか甘さを含むソプラノ声。…つまるところ、セナは男から、女になっていた。

「うえ、 ぇ いったいなにが これでは、こんなツカサではお姉さまに顔向けすることがっ」
「大丈夫よ、ツカサちゃん。前と変わらずとっても可愛いわ」

ほろほろと涙するツカサの長い髪を編みながら、アラシが慰める様に声をかける。その向うではリツがつまらなそうに机にダレて怒り狂うセナとチアキの攻防を見つめている。彼らもまた例外なく、男から女へと変貌していた。その摩訶不思議な様子に、我関さずを決めていたタカミネが声をかける。

「リツ先輩は、あまり動揺してないですね…」
「ん〜? そうかな、これでも結構驚いてるほうだよ」

そうは見えないが。その言葉を呑み込んでタカミネは溜息をついた。俺の…いや、もとを辿ればアホな俺の同契者(プレジャー)の所為だけど…その所為で事態がもっとややこしいことに。鬱だ…。

「…あ、 そういえばことり先輩は大丈夫なんですか…」

ぽろりとこぼれたタカミネの言葉に、場の空気が凍った。
直後、チアキの胸倉を掴んでいたをセナが、彼を乱暴に放り投げ全速力で走り出した。「ちょっとイズミちゃん! その格好は、その格好はマズいわよぉ!」と、男物のシャツ一枚で走り出したセナに顔を真っ青にしたアラシが続く。「お、お姉さまあああああー!」と泣きながらツカサが続く。

「ほらアンタも来る。俺たちにこの状況どう説明しろっていうのさ」
「むっ うをっ! りりり、リツ!締まっているぞ、くび!」
「ふわぁ〜 ねむっ」

チアキの襟を掴み引きずりながらリツが続く。そして「鬱だ…」とタカミネが続いた。悲しきかな、エディルレイドとは常に同契者と一蓮托生なのだ。




「っことり! ことり起きてるのぉ、俺だよ あけてよね!」

ガンガンと戸を叩くがうんともすんともない。セナは最悪の事態を想像してさあと顔を青くした。パニックのあまり響応の謳で扉を破ろうとするセナを「ちょっとぉお待ったああああ ダメよ!それはいけないわイズミちゃん!!」とアラシがギリギリのところで抑え込む。

「っ邪魔しないでよナルくん! ことりがっ俺のことりがっ〜!」
「はいはい、落ち着きましょうね。こんなところで謳ったらことりちゃんまで吹っ飛んじゃうわよ」
「ことり―! ことり〜〜〜〜っ!」
「あはは 発情期の猫みたいだね〜」

アラシに馬乗りになられながらもことりの扉に手を伸ばしておいおいと泣くセナに、リツが容赦ない言葉を浴びせる。ぺいっと片手に下げていたチアキを放り投げると、「む」と何かに気づいたチアキがごそごそと制服を探った。そうして通信端末を取り出す。

「なに〜?」
「うむ ことりからだな。 なんだかよくわからんが、俺だけ入ってこいとのことだ!」
「なんでよぉ!!」
「悪いなセナ! お先に失礼するぞ!!」
「ぶっ殺す!!」

憎々しいという顔をするセナだが、その上でアラシが足からせっせとズボンを履かせている。その横ではことりを呼んで涙を浮かべるツカサを、リツが「かわい〜」と頭を撫でていて、中々シュールな光景だ。タカミネは大よそここまで食指が疼かない美少女たちを前にするのも貴重な体験だと思った。

「あ、どうだった〜?」

暫くして出て来たチアキにリツが聞く。するとチアキが深刻そうな顔でいう。

「うむ…あれは、なんというか中々」
「ことりのこと変な目でみないでよねぇ 下の汚いブツ二度と使えないように氷らせてあげようかぁ?」
「落ち着けセナ! そうではない、ことりは随分と辛そうでな。 言葉を発するのも精一杯で、唯一聞き取れたのはこれだけだった」

ごくりと皆が息を呑む。

「 『セイチョウツウ』 『ヤバイ』 」
「…………………めっちゃ伸びてるんですかね」

まるで世界の終焉を知らせるような顔でチアキは伝えた。タカミネは輪から外れたところで小さく呟く。そしてその場は「そっとしておいてやる」ということで解散となった。成長痛、怖ろしいものだ。




「みてみてー! クヌギ総監がお詫びだって新しい服くれたわ! ほらほら、すっごくかわいいのよ!」

アラシの言葉に、自室で待機していたツカサたちは何かと寄った。

「こんなときに服なんて… おお、これはなかなかCUTEですね」
「無理矢理男から女にされたエディルレイドに対する扱いじゃないのよね〜 まあ、いいけどさ」
「まあ、そんなこと言っちゃダメよリツちゃん。プレゼントは喜んで受け取らないと」
「別に俺オカマじゃないし あ、でもス〜ちゃんこれ似合いそう〜 着てみてよ」
「え、 え、私ですか!?」

楽しげに衣装をあてているリツとツカサから外れ、アラシはそっとセナに近づいた。ベッドの上で膝を抱えぴくりともしないセナの姿は痛々しく、アラシは少し戸惑いながらも笑顔を浮かべて話しかけた。

「イーズーミーちゃん。 ほら、いつまでも暗い顔しないの。ことりちゃんなら大丈夫よ。 クヌギ総監がドクターを呼んで下さるっていってたし」
「…」
「だからアタシたちは、ことりちゃんが戻って来たときに迎える準備をしないと。 大好きなことりちゃんが戻って来たとき、そんな暗い顔してたら嫌われちゃうわよ?」

セナがゆるりと顔をあげる。それをみて、アラシはにっこりと笑って真新しいビニールにつつまれた衣装を見せる。

「ことり=水梨のエディルレイドは、いつでも美しく華麗でなくっちゃ、ね?」
「…ナルくんのくせに生意気ぃ」

くしゃりと服を掴んだセナに、アラシは「そうそう、イズミちゃんはそうじゃなくっちゃ」と笑った。

衣装は、まるでアイドルのそれのようだった。たっぷりとレースがつかわれた膝上丈のスカートに、てろんとしたシフォン地のブラウス。だがジャケットは男の時と同じかっちりとしたデザインで、衣装にオフィシャル感を与えてくれている。飾緒にはポイントにアークエイルの紋章が飾られ、紺地のサッシュが左肩から回り、ジャケットのバックリボンへと繋がる。セナはそれにタイツとシックなブーティーを合わせる形となった。ふわふわの銀の髪は上品な編み込みのシニヨンで纏めると輪郭がはっきりし、それでもすこし男の頃の面影が見えるような気がした。

アラシに借りた細い毛のブラシを鏡台に戻し、鏡の中の自分を見る。…女だ、セナは特徴をそのままにすっかり性別が変ってしまった。

(…思ってたより、かわいい、かな)

想像したことがないわけではない。ことりは女の身でありながら、何時もセナを守ってくれた。女王のように扱ってくれるという言葉に嘘はなく、まるで騎士のように傍にいてセナの思いに応えてくれる。だから何時しか、少しだけ…女であれば良かったと思うようになった。セナが女であれば、ことりが男であれば、きっと潔く全てを捧げることができたのに、と。でも自分は女じゃなくて男だから、セナがことりを守らないといけない。

(…ことりは俺よりずぅと強いから、)

それも上手にできなくて。結局、ことりが苦手とする生活面につくようになれば、ますます逆転する役割に葛藤させられた。

(ことり、俺のこと気に入ってくれるかなぁ…)

女になった俺でも、女王のように扱ってくれるだろうか。
変らずに傍にいて、守ってくれるだろうか。

願うように繰りかえして、セナはきゅっと目を閉じた。その向うで、記憶の中にあることりを何度も思い返しながら。

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