OTHER JUMP | ナノ


2月14日。
それは誕生日の次に、私が楽しみにしている日だ。





「ほな、行ってくるわ」

ニーカーの踵を二度突いてから、お兄ちゃんはバックの位置をずらしながらそう言った。私はエプロンの端を指先でいじりながら「うん、気をつけてね」と答える。それに「おう」と短く一言、そして大きな掌で私の頭をくしゃりと撫でた。

「お土産、楽しみにしとれ」

優しく微笑んで、兄は家を出る。でる、でる_____雲間から溢れる太陽の光がじんわりと世界を照らすような感覚。詰まる所、私はにやける顔を抑えきれず、興奮を止められず、その場でくるりと回ってリビングへ舞い戻ったのだ。

「おにぃちゃん行ったよー!」
「そう___あら、妙に嬉しそうね」

父のお弁当と私のお弁当を包んでいる母が、私を見てそう行った。それもそうだ。リビングに戻るなりくるくると回りながらキッチンに入った娘に対する感想なら、それは柔らかいものだ。

「へっへー!」
「何、お兄ちゃんから何か貰ったの?」
「んん、あのね『お土産楽しみにしとれー』だって」

冷蔵庫を開ける手前、振り返ってそう言えば母は「ああ」と笑った。冷蔵庫から昨夜作っておいたケーキを取り出し、仕上げの為の道具を取り出す。作ったのはお菓子では唯一得意ともいえるガトーショコラだ。ふふ、頑張ったんだー!チョコレートカラーのそれにぱらぱらと粉砂糖を降りかけていると「随分と元気だな」と父の声。

「おはよう、お父さん」
「おはよう。マグカップとってくれる?」
「ちょっと待ってね」

父が愛用のマグカップをグラスの中から取り出していると「美味しそうだな」と父の声が聞こえた。ぱっと立ち上がるとガトーショコラに手を伸ばす父の姿に、焦った。

「っちょ、食べちゃダメ!」
「ダメですよ、昨日まちが頑張って作ったんですから」

父の手を払えば「はいはい」と肩を竦められた。私の手からひょいとカップを取りダイニングキッチンに座った。

時間がないのでとっととケーキの仕上げをしてケースに収めた。ふっふー!楽しみだなー!ミノちゃん喜ぶかなー!何時もより少し送れて家を出る。2月は寒い、寒さが身に染みる「っくぅ〜」マフラーに顔を埋めて3秒。よしと足を踏み出した。





「なんや、えらい機嫌良さそうやん」

HRを終えて直、前の席のミノちゃんが振りむいてそう言った。それにニヤケタまま「えへ」と答えると「きしょいで」と笑われた。えへー!

「何、好きな人からチョコ貰えたん?」
「っちょ、わたし女だからね」
「いやぁ、まちなら違和感あらへんから、つい」
「ひどい!」

その場合、どちらが受けで攻めなのだろう。不意に考えてしまった邪な思考を煩悩で打ち砕き、私は一時間目の準備に取り掛かった。

「んで、ホンマは?」
「んー、あのね、今日はとびっきりのお土産がくるの」
「え、まちんちいま誰かおらへんの?」
「ううん、皆いるよ」
「は? ほなら土産ってなんや?」
「お兄ちゃんがね、バレンタインデーには何時も山ほどチョコレート貰うの」

にやける口元をタオルで隠しながらそう言えば、「おお」とミノちゃんが呟いた。

「そっか、まちんにぃちゃんめっちゃカッコエエもんな」
「良いでしょう?」
「うっさいわブラコン」
「やっぱ大学生って凄いよね、普通にゴディバとかあるんだよ」

ブラコンとは言われなれているし、かなり事実なのでまったく気にしないで。

「お兄ちゃん料理得意でしょう?」
「おん、めっちゃウマかった」
「だからあげる人たちも下手に手作り渡せないみたい、ほとんど買ったものなんだ」
「ああ、確かに。あんな料理うまい人に下手なもん渡せへんもんな」
「私、お兄ちゃんの妹に生まれてよかったー!」

そう言ってもう一度笑えば、ミノちゃんに「うっさいわブラコン!」とチョップを喰らった。あへー!自重しないもんねー!

そんな会話をしてニヤニヤしているまちの隣___隣の隣、窓側の一席。イベントデーという事もありかなり賑やかなこの教室において、大きいとはとてもいえない彼女たちの会話に耳を欹てていたは、はあと息をついた。

「なんやモテ男、そないな物思いに溜息つきよって嫌味か」

それを目の前の親友はどうも勘違いしたようで、机の上に広がる数々の(人の)貰い物を片手に柳眉を寄せてそう言った。彼は知らない___これが、安堵の息と呼ばれるものなんて。「なんでもあらへんよ」会話に違和感がないように多少の間を置いて謙也の手から包みを奪い、なんとなしにそれを見た。透明なビニールの中に彩るチョコレートクッキー、きゅっと絞られた桃色のリボン。ふいと机上を見れば溢れるチョコレートの香りと、___思いの飾り山。

不意に、言葉が漏れそうになった。喉の奥から競りあがる様にして、それはもがいている。出たがっている。息を呑むように、それを飲み込む。深くふかく、飲み込んで。訝しげにこちらを見てくる謙也に厭らしく笑う。

「そういう浪速のスピードスター様はどないやねん」

椅子に腰掛けたままくいと謙也の席を見れば、慌てたように「見るなや!」と制服を掴まれた。ちょろっと見えた席には俺ほどやあらへんけど愛らしい包みが幾つかころころ。それに「はは」と笑えば謙也が真っ赤な顔で怒り出した。それを聞き流しながら、ああと思う。こうしていれば、誰も入ってこられない。以前聞いた話だと、俺と謙也が一緒にいると声をかけ難いらしい。それを聞いた時にはなんて馬鹿な話と思ったが、それもこう使えると知るとまた変わってくる。



『おはよう』
そう言って教室にやってきた彼女は、酷く機嫌が良かった。にこにこと笑って宮城にかけよるその姿は相変わらず犬みたいで、何時もの俺ならなんかほわっとした気持ちになるはずだが___今日は酷くぎりぎりと気持ち悪くなった。不安になって、頭の中が嫌なことで真っ暗になって、「蔵ノ介?」と目の前のクラスメイトに声をかけられるまで__何か酷いことを考えていた気がする。その子に謝ってチョコレートを受けとり、俺は席に戻った。五月蝿い教室の中から聞こえる少し低めなのに楽しそうな声。なぜかそれが耳障りで、俺は机の上に伏せた。

(あかん……気持ち悪いっ)

彼女はなぜあんなにも笑顔なのだろう。もしかして誰かにチョコレートを渡したのだろうか。もしかしてそいつに良い答えをもらえたのだろうか。そして彼女は___誰かのものになってしまったのだろうか。



そして現在。それが完全な杞憂であると知った俺は、バカみたいだ。単純すぎる。あれほどに気持ち悪かったのが嘘みたいに晴れた。耳が勝ってに拾う彼女の声が、先ほどとは打って変わって心地よい。鼓膜をさわさわと揺らすそれに心ん中がすっと穏やかになるのがとても心地よくて、俺は目の前の親友に「はは」と笑った。机のものを見ながら(そっか、チョコレート好きやったな)と思い、自己嫌悪。あー自分はバカだ。そうだ、今日はバレンタインデー。チョコレートが溢れる日。彼女はチョコレートが大好き。ちょっと考えれば解ることだったじゃないか。

その事実によほど自分が余裕のない男に思えた。なんとも無様だ。なんだか酷く恥ずかしくなって、俺は気を紛らわすように適当に包みを手に取った。俺がもらうチョコレートは殆どが手作りなのだが(まあ中学生だし)、それは珍しく既製品だった。MILKと書かれたプラスチックケースを見ながら(これやったら喜ぶかな)なんて考える俺は、なんて疾しい。

「し、白石?」

机の上でぷるぷると震える親友にそっと声をかけると「なんでもあらへんっ…」っと蚊のなくような声で返答があった。「どう見てもなんともない風には見れなかった」と、後に部室で彼は語った。





休み。前日に顧問に頼んで借りた冷蔵庫からケーキを取り出す。家から持ってきたナイフで切り分け、顧問に一つお礼として渡した。

「ホワイトデーは3倍返しで」
「おしゃ、まちん分だけトレ3倍な」
「やめて!!」

なんて会話をしてから、食堂へ行った。何時もより空いているそこで先に来ていたミノちゃんの前に座った。「見てみて、午後ティー買うてきた」「おお、ナイス」「せやろ?」ミルクティーとレモンティーの2つのうち、ミルクティーを貰って代金を払った。そういう所は確りしてるな。

「ほな、いっただきまぁす」

切り分けたケーキを前に、ミノちゃんがそう言った。それに続いて「いただきます」。ミノちゃんが一口頬張り、咀嚼。それをじっと見守っていると「うん、美味しい!」と返ってきた感想に「よかった」とほっとした。ま、これはミノちゃんに頼まれたものだし、食べて文句言われることなんてないんだけどね。

「はーごっそさん」
「お粗末様でした」
「残ったやつどないするの?」

まだ半分以上残っているそれを見てミノちゃんが言った。まあ、ミノちゃん3切れ食べてくれたけどね。ケースからナイフだけ取り出してお弁当包みに戻しつつ「用務員さんにあげるんだ」と答えた。

「ああ、まち仲ええもんね」
「えへー!」

購買のおばちゃんとも仲良しだよっ。何かと用務員さんにもお世話になっているのであげると決めていた。だから態々ホールで持ってきたのだ。ケースを戻し、まだ時間があるが用務員さんに渡したいから戻りたいという提案を「ええよ」とミノちゃんは快く承諾してくれた。

は一度部室で荷物を置いて、飲みものを買う為に食堂に行くという謙也に着いてきた。本日はオサムちゃんに頼んで部室を開けてもらった。それは去年、昼休みに呼び出しの嵐で昼を食べられなかったからだ。鍵を借りた時となりにいた謙也はともかく、どこからともなくそれを聞きつけた部員達までもスタンバイしているのは予想外だったが。そしたら、花酒さんがいた。何時もは教室で食べるのに珍し____白いケースを持っていた。白い、それこそケーキが入りそうなやつ。え、え。その行き先と中身がどうしても気になって、俺は掌のペットボトルをぐっと握った。食堂に入れば絶対に捕まる。だから、こうして物陰で謙也を待っているのだ。意味がない、意味がなくなる、でも____

「謙也、はよしいや」

俺はなんてバカなんだろう。もう本当に無駄だらけだ。こんなの完璧じゃない。平静を装い食券を片手に並ぶ謙也に話しかければ、謙也が「おまっ!」と声をなくした。流石の謙也でも、これが普段の俺らしからぬ事だと判別がつくらしい。だよな、俺らしくないよな。

「何してんねん!」
「何って___来るんがおっそいスピードスター様の様子を見にきたんやけど?」

そういえば謙也は「ぐはっ」とわざわざ声を出してうな垂れた。まったく。この単純さには呆れさせられる反面、こうしてよく助けられる。俺は何気なく周りを見渡した。まあ、装いだけど。

直に見つけた。少し体制をずらせば白いケースの中が見えた。(ガトーショコラ、)それもホール。ああ、花酒さんが作ったみたいだ。宮城さんが美味しそうに食べている。

「白石、終わったで!」
「___おん」
「何してるんやっはよ部室!」

その言葉にはっとした時には遅く「白石先輩!」という声がした。その時の謙也の顔は酷いものだった。もう本当に、これは俺の所為です。

結局、今年も昼飯にはありつけなかった。



5時間目が終わり、掃除も終わり、後はHRだけ。くるくると回る空っぽの胃に俺の頭はぐるぐるした。ああ、腹減った。育ち盛りの運動部員、それも部長が昼飯抜きになるとどうなるか___こうなる。謙也みたいに早弁するのも授業中に食べるのも俺のプライドが許さず、もうこれは部活で倒れるかもしれない、空腹で。ブルーな思考浸りながら廊下を歩いていると「お、白石」と声が聞こえた。低い独特の音程、何時の間にかリノリウムの床を見ていた視線をあげずともそれが誰なのかは解る。

「なんや、ユウッ」

ジ。その一言が出てこなかった。「ん?」とこちらを見る深い緑色の目が訝しげな色を写した。それよりもそれよりも、俺には目の前でユウジが加えているチョコレート色の物体のほうが重要で大切で…!

「っちょ、それ」
「んあ、もふ。なんや、やらへんぞ」
「自分の食べかけなんていらんわっ…!」

あ、でもっ出所によってはそうでも…なんて血迷った思考を振り払い、俺はきっとユウジを見た。ユウジはそれに驚いたのか「っな、なんやねん」と一歩下がる。

「それ、どないしたん?」
「あ? なんやねんホンマ、お前やまほどもらったやん。チョコ、」
「そういう事やなくてっ」

訊きたい。それを誰から貰った。それをどこで貰った。それは____花酒さんが作ったガトーショコラなのかと、でも訊けない。訊いたらいけない。でも、気になる。気なって、訊きたい。そんな矛盾と葛藤が渦巻いて気持ちが悪くなった。朝の気持ち悪さを思い出した。

「ん…ああ、せや。お前、昼飯抜きやもんな____」
「っ、ああ」
「____用務員室」

ユウジの口から漏れた言葉に思わず「は?」と言ってしまった。普段の俺なら絶対にありえないそれも、ユウジにとっては不機嫌の材料に変換されたのか「せやから、用務員室!」と今度は強い口調で言われた。

「用務員のおっちゃんに用があってん。言ったらおっちゃんら皆でこれ食ってたんや。なんやエエもんくっとるなあ言うたら気前よおくれた」
「さ、よか」
「おん」
「ほならエエわ。部活でな」

何気ない風に手をあげて、俺はユウジの横を通り過ぎた。その姿をユウジがじっと目を怪しむ様に見ているとも知らずに。ほんのり甘いガトーショコラを大きな口で頬張り、親指についたカスをぺろりと舐めたところで、ユウジはくるりと踵を返して自身の教室へと向かった。

「忙しいやっちゃな、アイツ」





3月14日、ホワイトデー。朝からバレンタインデーのお返しと兄と父か朝食とお弁当を作ってくれた。今日は一日家事をしてくれるらしい。ので、私とお母さんは今日はお買い物をしに行く予定だ。わーい!

「楽しみだな」
「エエなー、うちもおかん誘ってみようかな」

珍しく校門であったミノちゃんとそんな会話をしながら、脱いだローファーを手に下駄箱を開けた。「そうしなよ」「あーでもあかん。うちのオカンはまちんオカンみたいにオシャレちゃうねん」それがちょっと嬉しくて「えへー」と言ったらチョップされた。廊下で適当に喋りながら教室へ、今度の席替えは大当たりだった。なんせ私とミノちゃんは席が前後なのだ。

「んじゃ、うちのお返しは今度の日曜やな」
「はーい」

お返しは日曜日にミノちゃんオススメのケーキをご馳走してくれることになった。ミノちゃんは情報通なので本当に美味しい店を紹介してくれる、だから今回はこれで手を打ったのだ。日曜日の話をしながら、私は鞄の荷物を取り出し机に詰めようと____「あれ?」

「どないしたん?」

突然の声にミノちゃんが尋ねてきた。「教科書が詰まった」とありのままを話せば「珍しいこともあるもんやな」と笑われた。まあ、私は基本置き勉はしないので何時も机の中は空っぽなのだ。私も驚いている。確か、昨日も全部持っていたはずなのに。不思議に思いつつも教科書を机の上に戻し、中で原因となっているものを掴みとりだした。

「?」

包みだ。(あ、ホワイトデー)なるほど、これはお返しか_____ちょっと待て。納得した自分待て。私はミノちゃんと用務員と顧問にしか渡してないぞ。消去法でいくと用務員さんたちか顧問だけど、わざわざこんなことするか?ないだろう。あったら気持ちが悪い。あ、そっか、

入れ間違いか!!
なるほど、誰かが席を間違えたんだな。はは、ドジだな。

そう思って再び包みを見て___驚いた。思わずじっと見てしまう。愛らしいデザインの包みについたリボンのシール、それに付属されたカード。


__  花酒まちさんへ  __


このクラスで花酒まちは、私だけだ。え、なにこれ___こわい。仕様のない恐怖に襲われて、私は目の前のミノちゃんの制服をがっしりつかんだ。

「っちょ、なんやねん」
「こ、こここ、」
「はあ?」
「なんか入ってたっ…!」

それを突きつけると「なんやお返しちゃうの?」とのんきな。あほか!お前にしかやってない!

「え、ストーカー?」
「怖いこと言わないでっ…!」

ぞぞっと震える体を両腕で擦る。じっとそれを見ていたミノちゃんが「開けてええ?」と言うので頷いた。自分で開ける勇気など毛頭ない。がさがさとそれを開けるミノちゃんの手元をじっと見ていると出てきたのは____タオルだった。

「かっ…!」
「な、なんやエライカワエエ「お返し」やな…」

かわいい!なんだこれ!私の趣味をピンポイントにおさえてきている…!カーゼ地らしいそれに赤い林檎のアップリケ。うそ、かわいい!

「え、なにこれ、すっごい可愛いっ」
「えー、でも宛先不明やで? 使用後やったらどうするん?」
(使用後…)

よからぬ可能性にぞくっとした。うわーありえない!

「っま、気に入ったんなら貰っとけば? 宛先ないってんは怖いけど、悪いもんっぽくないしな」
「そんなアバウトな…」
「それにまちん名前手書きやし綺麗な字やで、」
「それ関係ないよね?」

ぽんと投げられたタオルを受け取り、まじまじと見た。うん可愛い。すっごく可愛い。なんとなく手触りが新品っぽい___気がしないでもないような…。そんなことを思いつつ、机の上に戻された包みを見た。確かに、綺麗な字だ。お手本みたいに。

(____洗って、使おうかな)

ついでにお清めもしとこう。


んな会話のなされている隣の隣の窓側の席。

「___白石、お前疲れとんのか?」

机に拳をおき口元を手で覆ってふるふると震える白石を前に、忍足は怪訝な瞳で呟いた。「なんでもあらへん…」と何時ぞやかと同じように蚊のなくような声で答える白石に、やはり忍足は何時ぞやかと同じような感想を、後の部室で語るのだ。

(良かった…! おおきに宮城さん! ほんまおおきにっ…!!)
(誰がくれたんだろう?)


彼女は知らない、贈り主を。
彼女は知らない、自分が作ったガトーショコラが知らずに2人の男子生徒が食べていたことを。
彼女は知らない、その内の一人がそれを贈ったことを。


彼女は知らない、その一人が自分に恋慕の情を抱いていることを。


彼女は知らない。


VDからWD
(お、おっちゃん!)(どないしたんや?)(そのケーキ俺にもくれ!)(は?)


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