俺たちがいつも通り学校から帰っている時山本が、あれ誰だろうな、と言った。
山本の視線の先には同い年くらいの女の子。
背中には山本と同じようなバットを入れるような袋を背負っていた。
彼女もこっちに気付いたみたいで目が合った。


『ねえ、あんたって10代目でしょ』
「ええ!?」
「テメー何者だ!!」


急に10代目と言われて驚く俺と警戒する獄寺君。山本は笑ってたけど…。
そんな俺たちを見て彼女は、やっぱり、と呟いた。


『あたし紅藤あげはっていうんだけど、リボーンがどこにいるか分かる?』
「リボーンの知り合い?」
『そ、あいつから頼んできたくせに見つからないんだよね、え゛!?』


あげはの声が裏返ったのはちょうど今話題に上がっていたリボーンが彼女の頭にのったからだ。


「ちゃおっす、あげは」
『…もうちょっと普通に現れようか。…まあいいや、頼まれたこと調べてきたよ』
「思ったより早かったな」
『当然。あたしを誰だと思ってんだ』


そう言ってリボーンに封筒を渡すと、しばらくはここらに住むから、と言い残してあげはは去って行った。


「リボーンさんあいつ何なんスか!?」
「あいつはボンゴレの情報屋だぞ」
「じょ、情報屋!?あの子が!?」
「じゃあ背負ってたケースの中身って何なんだ?」
「あの中には刀が入ってんだ」


その言葉に山本が反応した。やっぱり自分も剣士だからだろう。
てゆーか銃刀法違反じゃん…。


「まあ実際、」


ーーあいつが刀を抜いたとこなんか見たことねーけどな


俺たちは彼女が去って行った方をしばらく眺めていた。


そんな彼女が転校生として来るのはその数日後。




手には刀を、心に決意を
(初めて会った彼女の眼は)
(何かを覚悟しているようだった)



−−−−−−−−−−−−−
はい、また転生でした。
彼女は今回は情報屋になってますね。これも銀さんたちを捜すためです。
あげはが刀を抜かないのは銀さんたちを守るために抜くと決めていたからです。


title:秋桜-コスモス-




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