「…で、どうすんだ沢田」

「どうするって言われても…」

「とりあえず獄寺や山本でも呼んだらいいんじゃね?」


ピンポーン
銀時がそう言ったと同時に鳴り響くインターホン。…タイミング良すぎだろ。まさか獄寺辺りが来たんじゃないだろうな。


「出るぞ」


一番玄関に近かった晋助が玄関を開けにリビングから出て行った。


「すいません、警視庁のなk<バタンッバキッ>


晋助が素早くドアを閉めた音がした。閉めた音の後になんかバキって言ったんだけど。どんだけ強く閉めたのアイツ。
あたしたち三人は顔を見合わせてリビングから顔を出す。そこには無表情でドアを見つめる晋助が。彼の手は未だにドアノブにかかっている。


「…何やってんの高杉」

『まさかマフィア来た?』

「ええ!?」


あたしたちの言葉に晋助はいや…、と言葉を濁す。そして一言。


「……警察が来やがった、から思わずバタンと」

『テロリストの性か』

「いや、でも俺も同じ行動するかもしんねー…」

『銀時も?…大丈夫、多分あたしも』

「あげはたち警察にトラウマでもあるの?」


そんな会話をしていたらもう一度インターホンが鳴った。晋助が舌打ちをして渋々といった様にドアをゆっくりと開いた。


***


『お茶でーす』


あの後、怪盗キッドの予告状が警察にも届いたということで、警視庁から何人かの刑事を沢田家へと迎え入れた。確か名前は中森に目暮に佐藤に高木。そして何故か眼鏡の少年。

あたしはツナと向かい合っている刑事たちにお茶を出し、少年にはジュースを出しておいた。


「ククッ…警察がこんなガキ連れて来るたァ…とんだ笑い話じゃねェか」

「やめとけよ、高杉。ツナがいたたまれねーだろ。…あ、あげはー俺いちご牛乳な」

『んなもんねーよ。てかアンタら黙ってなよ、話が進まない。あーあ…ホントめんどくさいなー…』

「うん、とりあえず三人ともちょっと静かにしてて。ホント頼むから」

「(この人苦労してんなー…)」


あたしたちに黙っているよう懇願するツナを見て、眼鏡の少年、江戸川コナンがそう思っていたのをあたしたちは知らない。


***


「ねえねえ、」

『ん?』


ツナが警察と話しているのを黙って聞いていたら隣の少年(確かコナンだったかな)が話しかけてきた。
あたしは目線を合わせるように屈む。


『どうした?ヒマなら外で遊んでくるといいよ』

「んーん、そうじゃなくて。聞きたいことがあるんだ」

『…それはあたしたちに?』

「うん。沢田さんが持ってるボンゴレリングっていったい何なのかなって…」


その質問にあたしは思わず眉を寄せる。さっきツナはあのリングを家に代々伝わる家宝だと警察に説明していた。まさかマフィア関係だとは言えないし、それは大方嘘ではない。だから違和感なんてなかったはず。
なのにわざわざそれをあたしに聞いてくるか…?


『それはさっきツナが言ってたじゃん。家宝だ、って』

「……そう、だね。じゃあもう一個だけいい?」

『……どーぞ』

「お姉さんたち…いや、あげはさんたちは何者?」


今度はあたしだけでなく銀時と晋助も反応した。ツナや警察には聞こえていないらしい。
不敵に笑ったコナンを見て、あたしはコイツはただの子どもではないと確信した。


「…コナン、っつたか?何でそう思うんだ?」

「だっておかしいよ。怪盗キッドが中学生の持つ指輪を狙うだなんて。それに沢田さんはともかく、あげはさんたちはまるで…、」


コナンはそこでハッとしたように言葉を区切った。晋助が怪訝そうな顔をしてコナンに続きを言うよう促す。


「……まるで、何だ」

「…いや、なんでもないよ!」


―――まるで、雰囲気が"黒の組織"に似ているだなんて。
結局コナンはその続きを言わなかったし、もし黒の組織だなんて言われてもあたしたちには理解し得なかっただろう。

この日、警察はツナに軽くキッド対策の旨を話して帰って行った。


『あのコナンって少年。あれは厄介だねェ…』

「ククッ…テメェの"目"から見てもやはり普通のガキじゃなかったか」

「お前も一応用心しとけよ、ツナ」

「…え、銀さん?それってどーいう、」


ツナが銀時に何かを問おうとしたのと10代目ー!!と獄寺とその後ろから山本がやって来たのは同時だった。




終わりを求めて彷徨う指先
(お互い謎は残るまま)


−−−−−−−−−−−−−
続きません。
黒蝶×探偵というなんとも無謀な混合!もちろん私だけしか得しないですね…。
時間軸はヴァリアー戦が終わった後くらいかな。
あげはたちもツナたちもコナンたちもそれぞれがそれぞれに疑念を持ち、キッドを巻き込み、マフィアも巻き込んでわちゃわちゃするような話が見たいなーと。

最初の男はキッドが変装してたってことで。
ただキッドの使うトリックって毎度難しいんですよね。私の頭じゃ到底そんなトリック思いつかないし、文章にしたらやたらと長くなりそうなので冒頭、というか初めの部分だけ想像(妄想)で書き上げてみました。


title:秋桜-コスモス-




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