前回のあらすじ

とある洞窟の中でイノセンス発見。
同時にAKUMAと遭遇。




「とりあえずあげははイノセンス頼むさ」


ラビはそう言い残し神田とともにAKUMAの方に行ってしまった。
ラビに言われた通りイノセンスを取ろうとあたしは湖の傍まで来て立ち尽くす。


『…これどうやって取ればいいの?』


如何せんイノセンスは湖の向こう側にあるのだ。
渡らなきゃダメなの?泳がなきゃダメなの?

悩んだ末、とりあえず湖に手を突っ込んでみた。
すると一瞬にして湖が真ん中で割れるように水が引いて行った。


『うそーん』


…何これ?何これェェェ!?あたしにこんな力があったの!?
いや落ち着けあたし!
今はそんなこと考えている場合じゃない。
あたしは水が引いた湖に降り、前に進もうと足を出した。

その時、


「あげは危ねえ!!」
『え?』


突然聞こえたラビの声に足を止めて振り向くと、いくつもの弾丸があたしに向かって飛んできていた。


『ぎゃああぁああぁぁああ!!』


あたしは咄嗟に飛んできた弾丸を避ける。
危なかった。マジで死ぬかと思った。
地面に手をついてまだバクバクいってる心臓を抑える。
そこにラビと神田が走って来た。


「あげは大丈夫か!?」
『な、なんとか』
「女とは思えない声だったな」
『黙らっしゃい』


ラビは心配して来てくれたようだが、神田はただ冷やかしに来ただけらしい。
何て奴だ。


「てゆーかこの湖の水なんで引いてるんさ?」
『さあ?手ェ突っ込んだらこうなった』
「…チッ馬鹿兎、俺がAKUMA殺るからてめーらはイノセンスの方行け」
「りょーかい!あげは行くさ!!」
『へーい』


あたしたちは神田を残し、湖の底を歩いて行く。
無事イノセンスの所までたどり着くと、ラビがイノセンスに向かって手を伸ばす。
しかしイノセンスに触れることはできなかった。

バチィッ


「…っ」
『ラビ!?』


触れようと伸ばしたラビの手をイノセンスがはじいた。
どうやら簡単に取らせてはくれないらしい。
しかしイノセンスの抵抗はこれだけではなかった。
背後からゴゴゴゴゴ…と何か不吉な音。


『ラビ君ラビ君後ろから変な音する』
「ハハ…奇遇さね。俺も聞こえた」
『「………」』


バッ!

二人そろって後ろを振り返る。
そして目にしたのは今まで引いていた湖の水が戻り、その上津波となりこっちに襲いかかってきている光景だった。

なんか今日こんなんばっかり。


「何突っ立ってんだ!!」
『「!!」』


神田の声で我に返ったあたしたちは逃げようとする。
だが津波はすぐそこまで来ていて間に合いそうにない。


『あーもう、メンドくせーなコノヤロー!!』
「ちょっ何する気さ!?」
『人間やろうと思えばなんでもできる』
「何それ!?不安しかないさ!!」


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