『やっぱりトリップしちゃったァァァアア!!』
「「は?」」


どーも、こんにちは皆さん。
なんであたしがこんなことを叫んでいるかは第1夜をご覧ください。

まあそれはともかく、あたしは今ピンチに陥っているわけだ。
トリップ?ふざけんなコノヤロー!そんなことするのはどっかの恋愛小説だけで十分だよ!!
あたしは頭を抱えしゃがみこむ。
それを見ていた二人のうち神田があたしを変人でも見るかのような目で見ていた。
うわ、どうしよう泣きそう!!


「……おい馬鹿兎、こんな奴ほっといてとっととイノセンス見つけて帰るぞ」
「え、ちょっとユウ!待つさ!!」
『え、あたしがこんなに困ってるのに置いてくの!?』


さっさと歩き出した神田をラビが追いかけ、その後をあたしが追いかける。


「テメーまでついてくんじゃねーよ!!」
『ふざけんな。あたしは困ってんだよ。助けろよ』
「二人とも喧嘩はやめろって!!」
『「うるせー馬鹿兎!!」』
「息ぴったり!!」


あたしたちは言い合いをしながら進んで行く。
しばらく歩くと洞窟のようなものが見えてきた。


「洞窟さ…」
「ここにある可能性が高いな」


すぐさま入ろうとする二人に、ちょっと待った!!と言って止める。
止めた際に神田の不機嫌さが増した。


「邪魔すんじゃねーよ」
『う…いやでもさ、ここなんか変な感じするし…』
「変な感じ?」
『いぇす!……あ、でも神田の刀やラビの腰にある槌と気配が似てるしやっぱ平気かも?』
「「!!」」


あたしがそう言えば二人は驚いた顔をする。
え、何!?あたしなんかおかしいこと言った!?
二人の反応に戸惑っているとラビがあたしの方に近寄ってきた。


「あげはイノセンスの気配がわかんの!?」
『うん?イノセンス?』
「俺の槌とかユウの刀さ」
『ああ、それね。…まあ、一応。この洞窟に同じようなものがあるなーってことくらいなら』
「すげーさ!!」


イノセンスというのがいまいちわからないが、褒められているのはわかった。
ほら、なんかこう…褒められれば誰だって気分良くなるよね。
調子に乗ったあたしはいまだ洞窟の入り口に立っている神田の方を向いて高らかに笑う。


『ふはーはっはっは!!これであたしを連れて行かざるを得ないだろ!!』
「………」
『すいませんでしたァァァアア!!』


神田に向かって笑い飛ばせば無言で刀を突きつけられる。
もうやだこいつ…すぐキレるんだもん。カルシウム足りてないんじゃないの?


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