……なんか違和感が。あきらかにあたし今地面に寝転がってるよね?
どうやら今まで気を失っていたらしい。寝転がってるのもアレなので、起き上がって辺りを見回す。


『……ここどこ?』


周りは木、木、木。木しかない。つまり森なわけだ。
Why?
あたしは今まで歌舞伎町にいたはず。なんでこんなとこにいるんだ?
ここがどこか聞こうにも人っ子一人いない。
ヤバい、なんか寂しくなってきた。…とりあえず出口探そう。
そう思い立ったあたしは歩き出そうとした。が、ふと気配を感じて後ろを振り向く。

………何あのキモいの。
あたしの後ろにはなんか丸い化け物?がいた。おまけに浮いてる。
天人じゃあないな。どちらかっていうと機械みたいな。どちらにせよ、あれは危ない。直感がそう告げていた。
すると突然化け物は体の銃口をあたしに向け、何かを撃ってきた。


『っ…!!』


あたしはそれを咄嗟に避ける。
避けた弾は木に当たった。すると木はどんどん枯れて朽ち果てた。
…当たったらアウトってか。
あれを倒したいが何しろ武器がない。うちに置いてこなければよかった、と今更ながら後悔する。
ああ、ホントどうしようか。
考えてるうちにも化け物はまたも撃ってこようとする。
ここで死ぬわけにはいかない。何もないよりはマシだろう。そう思いクナイを構える。

でもその必要はなかった。
化け物は後ろから現れた人影によって、一刀両断された。
斬ったのは黒髪のポニーテール。
おー、見事に真っ二つ。あいつ強いなぁ。


「おーい、ユウー。イノセンス見つかったー?」


そう叫びながら黒髪の後から来たのは赤髪。そしてあたしの方を見た。


「…ん?あんた誰さ?」
『それはこっちのセリフだ眼帯野郎。』
「見た目と違って口が悪いさ!!」
『初対面の奴に口が悪いとか言われたくないわ。』


と、こんなことを言ってる場合じゃなかった。あたしは早く帰らなきゃいけない。


『ねえ、江戸ってどっちにあるか知ってる?』


あたしがそう聞けば、赤髪もさっきから黙っていた黒髪も驚いたような顔をする。


「あんた江戸から来たのか?」
『そうだけど、それが何か?』


そう言えば彼らはは少し警戒の色を強めた。二人は顔を見合わせ何かを相談しているように見えた。しばらくそのままの状態が続いた。


「……斬ればわかるだろ。」


物騒な単語が聞こえた。


『え、ちょっと冗談だよね?ってギャアアアアア!!こっちに刀向けんなァァァアア!!』


黒髪に刀を突きつけられる。ヤバい、さっきとはまた違う意味でヤバい。


「ちょ、ユウ!落ち着けって!!」


赤髪が止めてくれたおかげでなんとか助かった。


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