『……寒い』
一人で部屋にいたあたしは誰に言うでもなく呟く。
今は冬。この時代炬燵もなければ暖房もないのだ。ましてや戦争中のため贅沢はできない。
戸を閉めればかろうじて寒さは和らぐが、隙間風がひどい。これでは外にいるのとさして変わらない。
『これ眠れないんだけど。てか寝たら死ぬ』
あたしは考えた。
どうすればこの寒さを乗り切れるのだろうか、と。
『あ、そうだ』
そこで一つの解決策を思いつく。
思い立ったが即行動、布団を抱え部屋を出た。
廊下に出てある部屋の前まで来たあたしは迷わずその戸を開ける。
「!?」
『やっほー銀時』
「イヤやっほーじゃねえよ!?お前何人の部屋に勝手に入ろうとしてんの!?てか手に抱えた布団は何!?」
『だって寒いんだもん』
そう言ってあたしは銀時の布団の隣に自分の布団を敷き始める。
銀時は、答えになってねーよ、と言いつつも自分の言葉を聞き流すあたしに諦めたのか、自分の布団の上に腰を下ろす。
「お前さあもうちょっと危機感とか持てよ」
『は?』
「…俺が襲わねーとは限らねーだろ」
『へーきへーき、あんたはしないでしょ?そんなこと。第一襲ってきたとしても投げ飛ばすくらいの自信はあるから』
「さらりと恐ろしいこと言ったよこいつ」
しばらく二人で話していれば再び銀時の部屋の戸が開く。
立っていたのは晋助だった。
『おー晋助』
「……高杉君?手に持ってるのは何?」
「見りゃわかるだろ。…布団だ」
「お前もかよォォォ!!」
銀時から盛大なツッコミを受けたにも関わらず、晋助はあたしの隣に布団を敷く。
隣に座った晋助になんでここに来たのか聞けばあたしと彼の考えは見事に一致していた。
つまりは寒さに耐えきれなかったあたしたちは暖を取るべく、銀時の部屋に集まったのだった。
「集まったのだった、じゃねーよ!!なんで俺の部屋なわけ!?」
『そんなの決まってんじゃん』「んなもん決まってんだろ」
『「なんとなくだ」』
「出てけェェェエエ!!」
ガラリ、再び部屋の戸が開く。
それを見た銀時は、まさか…、と顔を引きつらせる。
そこにはあたしたちと同じく布団を抱えた小太郎と辰馬だった。
「なんだ貴様らも来ていたのか」
『まあね、あんたらは一緒に来たんだ』
「ここに向かう途中でヅラと会ったんじゃ」
「ヅラじゃない桂だ」
「つーか五人でこの部屋は狭いだろ、テメーらは出てけ」
「おめぇも、な!!」
そう言った銀時は晋助に向かって枕を投げる。…が当たったのは小太郎だった。
被害にあった彼の方を見れば、枕を持って振りかぶっていた。
あ、これはヤバい。
「よくもやってくれたな銀時!!くらえ!!」
投げられた枕は銀時の方ではなく晋助に当たった。
それを見た銀時が腹を抱えて爆笑する。
そして当然晋助は額に青筋を浮かべる。
あたしはこれから起こるであろうことに巻き込まれないよう辰馬の方に避難する。
『辰馬辰馬、これどーしようか』
「アハハハハ、ほっとくきに!あいつらはまっことガキじゃのう!!」
『辰馬辰馬、今明らかにあいつらの地雷踏んだよ?』
あたしが言うと同時に彼らをガキ扱いした辰馬(バカ)は枕の餌食になった。
しかし頑丈な辰馬は投げられた枕を拾い上げ、三人に向かって投げる。
そこから壮絶な枕投げが始まった。
最初は見ていたあたしも徐々に巻き込まれていき、最終的には四人とともに枕を投げ合っていた。
すっかり体も温まったあたしたちはいつの間にか五人固まって眠っていたのだった。
寒い日には
(昨日は大分冷えたなー、あげはさんたちは大丈夫だったかな?)
(あの人たちなら大丈夫だろ。坂田さーん朝ですよ…って、ええ!?)
(おお、相変わらず仲がいいですねー)
−−−−
最後の言葉は銀さんを起こしに来た部下が固まって寝る五人を見て驚いたという感じ。
一人で部屋にいたあたしは誰に言うでもなく呟く。
今は冬。この時代炬燵もなければ暖房もないのだ。ましてや戦争中のため贅沢はできない。
戸を閉めればかろうじて寒さは和らぐが、隙間風がひどい。これでは外にいるのとさして変わらない。
『これ眠れないんだけど。てか寝たら死ぬ』
あたしは考えた。
どうすればこの寒さを乗り切れるのだろうか、と。
『あ、そうだ』
そこで一つの解決策を思いつく。
思い立ったが即行動、布団を抱え部屋を出た。
廊下に出てある部屋の前まで来たあたしは迷わずその戸を開ける。
「!?」
『やっほー銀時』
「イヤやっほーじゃねえよ!?お前何人の部屋に勝手に入ろうとしてんの!?てか手に抱えた布団は何!?」
『だって寒いんだもん』
そう言ってあたしは銀時の布団の隣に自分の布団を敷き始める。
銀時は、答えになってねーよ、と言いつつも自分の言葉を聞き流すあたしに諦めたのか、自分の布団の上に腰を下ろす。
「お前さあもうちょっと危機感とか持てよ」
『は?』
「…俺が襲わねーとは限らねーだろ」
『へーきへーき、あんたはしないでしょ?そんなこと。第一襲ってきたとしても投げ飛ばすくらいの自信はあるから』
「さらりと恐ろしいこと言ったよこいつ」
しばらく二人で話していれば再び銀時の部屋の戸が開く。
立っていたのは晋助だった。
『おー晋助』
「……高杉君?手に持ってるのは何?」
「見りゃわかるだろ。…布団だ」
「お前もかよォォォ!!」
銀時から盛大なツッコミを受けたにも関わらず、晋助はあたしの隣に布団を敷く。
隣に座った晋助になんでここに来たのか聞けばあたしと彼の考えは見事に一致していた。
つまりは寒さに耐えきれなかったあたしたちは暖を取るべく、銀時の部屋に集まったのだった。
「集まったのだった、じゃねーよ!!なんで俺の部屋なわけ!?」
『そんなの決まってんじゃん』「んなもん決まってんだろ」
『「なんとなくだ」』
「出てけェェェエエ!!」
ガラリ、再び部屋の戸が開く。
それを見た銀時は、まさか…、と顔を引きつらせる。
そこにはあたしたちと同じく布団を抱えた小太郎と辰馬だった。
「なんだ貴様らも来ていたのか」
『まあね、あんたらは一緒に来たんだ』
「ここに向かう途中でヅラと会ったんじゃ」
「ヅラじゃない桂だ」
「つーか五人でこの部屋は狭いだろ、テメーらは出てけ」
「おめぇも、な!!」
そう言った銀時は晋助に向かって枕を投げる。…が当たったのは小太郎だった。
被害にあった彼の方を見れば、枕を持って振りかぶっていた。
あ、これはヤバい。
「よくもやってくれたな銀時!!くらえ!!」
投げられた枕は銀時の方ではなく晋助に当たった。
それを見た銀時が腹を抱えて爆笑する。
そして当然晋助は額に青筋を浮かべる。
あたしはこれから起こるであろうことに巻き込まれないよう辰馬の方に避難する。
『辰馬辰馬、これどーしようか』
「アハハハハ、ほっとくきに!あいつらはまっことガキじゃのう!!」
『辰馬辰馬、今明らかにあいつらの地雷踏んだよ?』
あたしが言うと同時に彼らをガキ扱いした辰馬(バカ)は枕の餌食になった。
しかし頑丈な辰馬は投げられた枕を拾い上げ、三人に向かって投げる。
そこから壮絶な枕投げが始まった。
最初は見ていたあたしも徐々に巻き込まれていき、最終的には四人とともに枕を投げ合っていた。
すっかり体も温まったあたしたちはいつの間にか五人固まって眠っていたのだった。
寒い日には
(昨日は大分冷えたなー、あげはさんたちは大丈夫だったかな?)
(あの人たちなら大丈夫だろ。坂田さーん朝ですよ…って、ええ!?)
(おお、相変わらず仲がいいですねー)
−−−−
最後の言葉は銀さんを起こしに来た部下が固まって寝る五人を見て驚いたという感じ。