なんであたしはここにいるんだろう。


ふとそんなことを考えた。


毎日天人を斬って斬って斬って、何が残るんだろう。


今自分の前にはたくさんの仲間の死体。


『……昨日まで笑ってたくせにさぁ。』


昨日普通に生きてた奴らが今死んでいる。


人間はなんて脆いんだろう。


あたしはただ守りたかっただけなのに、手の中には何も残っていない。


ああ、そうか…あたしは弱かったのか。あたしが弱かったから、こいつらは死んでいった。


『はは…あたし、情けないなぁ…。』


あたしはどうすればよかったの?わかんないよ…。


『先生……。』


−−−−…


「あげは!!」


突然聞こえた声に顔を上げると銀時がいた。


あたしどのくらいここにいたんだろう。


「…お前こんなとこで何してんの?」


『…わかんない。でも、何も守れなかった…。あたしはここにいていいのかな?』


「当たり前だ。俺はいつもお前に守ってもらってる。それに…、」


「「「あげは!」」」


『あ……。』


そこにいたのは小太郎、晋助、辰馬の三人だった。


『……なんでここにいんの?』


「そんなの貴様がいつまでも帰ってこないからに決まってるだろう。」


「てめーのせいでいつまでたっても酒が飲めねーじゃねぇか。」


「早く帰って皆で宴会じゃ!!」


……こいつらはあたしを待っててくれたのか。


「…さっきの続きだけどよ、それに…お前がいなきゃ意味ねーじゃん。」


そう言って銀時はあたしに笑いかける。


『銀時…。』


「さあ、帰るぜよ!」


「言っとくが酒はなしだぞ!!」


「あ゛?なんでだよヅラァ。」


「ヅラじゃない桂だ。貴様らがこの間バカみたいに飲むからだ。」


「細けーこと言ってんなよ、ヅラ。」


「だからヅラじゃない桂だ!!銀時まで何を言うか!!」


…こいつらさっそくもめ始めたんだけど。ホント昔から変わんないなぁ…。


「「「「あげは。」」」」


『!!』


四人はもめてたと思ったら、急にあたしの名前を呼んだ。


「何ぼーっとしてんだよ。ほら、行くぞ。」


『……っうん!!』


あたしは差し出された銀時の手を取った。







(あんたらがいてくれるから)
(あたしは笑っていられるんだよ)




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