二度目の人生もすでに13年目。
何故あたしは生きているのか。何故あたしは死んだのか。それすらも分からなかったがなんとかここまで生きていた。
物心をついたころには両親に捨てられ、孤児院で暮らしているあたし、紅藤あげは。
見た目的には13歳。中身は40歳近い。あたしはどこぞの名探偵か。
そんなあたしはもう並大抵のことでは驚かない。
……だけどさ、さすがにこれはねェわ神様。だって…、
目の前に血だらけの男が倒れてんだからさァ!
『…あたしにどうしろと!?』
……イヤイヤイヤ落ち着けあたし。まずはどうしてこうなったのか思い出してみよう。
―――…
今日は孤児院の先生、ダニエルさんからドアを壊したバツとして一人で大量の買い物をさせられていた。
女一人でこの量は無理じゃね?と抗議したけど無駄だった。そんな帰りにふと、あたしは川の方を見た。
『………ん?』
河原に何かある?
なんだか気になったあたしはその"何か"の傍まで駆け寄ったのだ。それが人だとも知らずに。
―――…
そして現在。
あたしの足元にはやけに顔が整った男……いや、少年かな?あたしより少し上くらいの。彼は肩から腹にかけてバッサリと斬られていて血が滲んでいた。
……何コレ殺人事件?
「………う、」
『!生きてんのかコイツ……、』
このまま放っておいたら死んでしまうかもしれない少年をあたしはとりあえず連れて帰ることにした。
大量の荷物と人ひとり背負って孤児院まで帰ったあたしを誰か褒めてほしいくらいだわ。
***
『……と、いうわけなんですよ。ダニエルさん』
あたしは拾った少年の手当てを終えたダニエルさんに事情を説明していた。
腕を組んで考え込むダニエルさん。少年はまだ目を覚まさない。
「…うん、あげはの説明はよくわかった。とりあえずこの子の目が覚めるまで面倒をみていてくれるかい?」
『あたしが?めんどくs「いいね?」…ウィッス……』
ダニエルさんは少し笑うと部屋から出て行った。
すると当然部屋の中はあたしと少年の二人になるわけで。
『(早く、起きないかな…)』
あたしは少年の顔を改めてまじまじと見た。
…うん、やっぱきれいな顔してんな。きっと女に間違われてもおかしくないだろう。
そしてそれとは別に一つ、気になることがあった。
『(コイツ、普通とちょっと違うんだよなー…)』
見た目は普通の人間。だけどどこか違っていた。どこがって聞かれたらよくわかんないけど。
それに不思議な刀持ってたし。一体何者なんだろうか。
……まあ、とりあえず。
『早く起きろよコノヤロー』
おかしな拾い物
(…………)
(あ、起きたね。おはよー)
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