もう出会うことはないと思っていた。
あいつらと笑うのも、泣くのも、話すのも…
もう最後だと思っていた。
あの銀色はもう2度と見れないのだと思っていた。
だけど…
こうして再び出会えたことが必然だと言うのならば。
あたしはもう一度貴方の剣となり、盾となろう。
***
「ボンゴレ10代目の護衛だァ?」
ひとつの部屋に集まる5人の少年少女。彼らの視線の先には一人の老人がいた。
先程声を上げた紫がかった髪の少年、高杉晋助の言葉にその老人、ボンゴレ9代目は穏やかな笑みを崩さず頷いた。
「そうだ。ヴァリアーとの戦いでリングを受け取ったが彼はまだ14。精神的にも負担がかかるだろう」
「だからと言ってなんで俺達?」
「そうじゃのう。ボンゴレのボスには守護者っちゅうもんがおるんじゃろ?」
『そうそう。守護者ってボスと同級生らしいし、彼らがいるなら問題ないんじゃ…』
銀髪天パの坂田銀時、おなじく天パで土佐弁を扱う坂本辰馬。そして漆黒ともいえる黒髪をなびかせた少女、紅藤あげはが言った。
「確かにそうだが…。護衛、というのもあるが君たちだってまだ子供だ。こんなとこにいるより同年代の子たちといる方がいいだろう?」
その言葉に5人は黙る。
何を隠そう自分たちは見た目が子供だと言っても中身はとっくに中年くらいなのだ。
それはもう某名探偵の如く。いや、それ以上に。
彼らはお互い目を合わせる。
代表してしゃべり始めたのは長い黒髪の男、桂小太郎だった。
「俺たちは9代目に拾ってもらった恩がある。しかし、こちらにも事情というものが…」
「ちなみに生活費、住居、学校の手配は全て完了済みなんだよ」
『「「「「…え」」」」』
「君たちのことはすでにリボーンに伝えてある」
『「「「「…え」」」」』
「君たちの荷物はここだ」
9代目がドンッと5人分のトランクを彼らの目の前に置く。
そして、一言言い放った。
「いってらっしゃい」
『「「「「ええええぇぇええぇぇええええ!!」」」」』
この10分後、彼らは日本へ発つこととなる。
決断はお早めに
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