ある日の万事屋にて、
「銀さん、あげはさん、僕たち出かけてきますから、しっかり仕事さがしてくださいよ!」
「新八の言うとおりネ。ダメ大人ども。」
そう言って二人は出て行った。
『何?あいつら。反抗期?あたしは銀時と違ってちゃんと稼いでんじゃん。こんなのと一緒にしないでほしいわー。』
と、ため息をつくと
「こんなのって何!?お前の場合、仕事じゃなくてギャンブルで稼いでんじゃねーか!なんでそんな無駄に運がいいわけ?俺にもわけろ。」
銀時必死なんだけど…。まあ、銀時はだいたいパチンコで負けるからね。自業自得じゃんか。
『銀時うっさい!ちょっと黙れや、クソ天パ。』
今日のあたしは機嫌悪い。銀時もあたしの機嫌の悪さに気付いたのか、
「なんかやけに機嫌わるくねーか、お前。もしかしてアレの日『殺されたいの?』…すいませんでした。」
銀時がふざけたこと言うから、おもいっきり睨む。
「あげは、」
『だから「本当にどうした?」…。』
だから何?と言おうとしたら遮られた。
それに文句を言おうとしたけど、銀時が真剣な顔してるから、言わないでおこうと思ってたのに言ってしまった。
『今日あの日の夢見たんだよ。戦争が終わった時の、さ。』
銀時が少し驚いた顔をする。でも、真剣な顔に戻ってそれで?と聞いてきた。
『それでまわりに誰もいなくてさぁ、辰馬も晋助も小太郎も銀時も。あたしまたひとりぼっちになっちゃたんだなぁって。そしたら寂しくなって…まあ、そこで目ぇさめたんだけど。』
あたしが話し終わっても銀時は黙ったままだった。
『あのさ、なんかしゃべってくれないとあたし気まずいんだけど。』
なんか無性にはずかしくなってきた。あぁ、やっぱ話さなきゃよかった。なんで言っちゃたんだあたし…。
「あげは。」
あたしが恥ずかしさに悶えていると銀時があたしの名前を呼んだ。
それだけで安心しちゃうあたしはそうとうこいつに依存してるんだって実感する。
『何?』
「俺がずっとそばにいてやるから。」
『!!』
びっくりした。そんなこと言われると思ってなかったから。
「だからお前も俺のそばにいろよ。」
そう言われたのがうれしくて、あたしはこいつに必要とされてるって思えた。
「おーい、あげはちゃん?今のちゃんと聞いてた?銀さん結構恥ずかしかったんだけど…。」
そう言って銀時は顔をそむけた。
あたしは少し笑って彼の名前を呼ぶ。
『銀時。』
「…なんだよ。」
銀時はちょっと間をあけて返事をする。
『ずっとそばにいてよ。約束だからね!!』
「おぅ。」
そんなことを言ってあたしたちは笑い合った。
約束(一週間後あげはがいなくなった)