粘り強さとしつこさは紙一重




歌舞伎町をぶらぶらと歩いていたあたしは銀時から連絡を受け、ファミレスに向かっていた。
銀時曰はく、新八のお姉さんがストーカー被害にあっているらしい。

それにしても新八のおねーさんか…。
やっぱり眼鏡なんかな?

そんなことを思いながら店に入る。


「おーあげは。こっちだこっち」


銀時に呼ばれ、そっちの方へ行く。
そこには万事屋3人と美人さんがいた。


『もしかして新八のおねーさん?』

「ええ、志村妙といいます。あなたは…」

『紅藤あげは。こいつらと一緒に万事屋やってんの。よろしくお妙』

「まあ、あなたがあげはさん?新ちゃんに聞いてはいたけど本当に美人なのね」

『やだなーお妙のが美人だよ。……新八の姉とは思えないくらい』

「あげはさん、それどーゆー意味ですか」


新八の言葉を軽く流して銀時の隣に座る。
そしてお妙の話を聞いた。


お妙の話によると、そのストーカー野郎は気がついたらどこにでもいるらしい。
うわーキモい。

話を聞き終わった後、あたしはお妙に安心させるよう微笑む。


『大丈夫だよお妙。そんな奴あたしが骨も残らないくらいにぶっ殺してやるから』

「笑顔でとんでもないこと言ったよこの人」


その隣では銀時が神楽がジャンボラーメンを食べる様子を見ていた。
コイツまったく聞くきねーな。


「きーてんのアンタら!!」

「んだよ、俺にどーしろっての。仕事の依頼なら出すもん出してもらわにゃ」

「銀さん、僕もう2カ月給料もらってないんスけど。出るとこ出てもいいんですよ」

『銀時、たまりにたまった家賃を結局誰が払ってやってると思ってんの?』

「ストーカーめェェ!!どこだァァァ!!成敗してくれるわっ!!」


銀時が立ち上がって叫ぶ。
いくらなんでもこんな店の中にいるわけ…


「なんだァァァ!!やれるものならやってみろ!!」

『「ホントにいたよ」』


テーブルの下から出てきやがったよコイツ。


「ストーカーと呼ばれて出てくるとはバカな野郎だ。己がストーカーであることを認めたか?」

「人は皆愛を求め追い続けるストーカーよ」

『んなわけねーだろ』

「ときに貴様、」


あたしのツッコミにも反応せず、ストーカーは話を続ける。


「先程よりお妙さんと親しげに話しているが、一体どーゆー関係だ。うらやましいこと山の如しだ」

「許嫁ですぅ」


ストーカーがそう言えばすぐさまお妙が言い返す。
え、許嫁!?誰が!?誰と!?

お妙は銀時の腕に自分の腕を巻きつけた。


「私この人と春に結婚するの」

「そーなの?」

「もうあんな事もこんな事もしちゃってるんです。だから私のことは諦めて」

「あ…あんな事もこんな事もそんな事もだとォォォォォ!!」

「いやそんな事はしてないですよ」

『いやあんな事もこんな事もしてないでしょ』


お妙はこう言えばストーカーが諦めると思ったらしい。
だがストーカーは諦めようとはしなかった。


「いやっ!!いいんだお妙さん!!」


そう言って感傷的に語り出すストーカー。
いや何もよくねーよ。そこは潔く諦めろよ。


「君がどんな人生を歩んでいようと俺はありのままの君を受けとめるよ。君がケツ毛ごと俺を愛してくれたように…」

「愛してねーよ」


…おっと、お妙の本性がちょっと見えた気がしたぞ。
ストーカーにはお妙の言葉が聞こえていなかったらしくビシィッと銀時を指さす。


「オイ白髪パーマ!!お前がお妙さんの許嫁だろーと関係ない!!お前なんかより俺の方がお妙さんを愛してる!!」


ストーカーはそこで一旦言葉を切る。
あ、嫌な予感…。


「決闘しろ!!お妙さんをかけて!!」



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