まず冷静になりましょう


あたしが突然叫んだことで周りの警戒が強まった。

くわばらくわばら。

あのあと救世主こと近藤さんは用事で出てちゃったし、どうしたものか。

『…あのさ、少しお願いがあるんだけど…。』

「なんだ?」

『あたしをここにおいてくれません?』

そう言ったら当たり前だろ的な顔をされた。

何故?

「お前は見ちゃいけねえもんを見たからな。外に出すわけにはいかねえ。本当なら斬るところだが、近藤さんは反対みたいだからな。」

…近藤さんのおかげであたしまだ生きてられるよ!!どこまでも救世主だなあの人!!

てか、本当に斬るつもりだったの?

「なんだ、つまんないなぁ。」

『黙れ茶髪ヤロー。』

茶髪が心底残念そうに言った。

あたしの中でこいつは超危険人物確定。そりゃもうあの三つ編み戦闘狂並に。

「じゃあ自己紹介が必要だな!俺は藤堂平助だ!!よろしくな、あげは!!」

茶髪ポニーテールは平助って名前か。なんか犬みたいだ。

「俺は原田左之助だ。よろしく。」

赤髪は原田さんか。色気が半端ない。

「俺は永倉新八だ。よろしく、あげはちゃん!」

『し、新八ィィイイ!?』

「うおっ!?どうしたあげはちゃん!!」

うちの新八と全然違うじゃないか!!ぜひ交換して欲しい!!

『いや、うちにも新八ってやつがいてね。永倉さんと違って駄眼鏡だけど。』

「…そっちの新八ってやつかわいそうじゃね?」

『気にしたら負けだよ、ちびっこ。』

「…俺ら初対面だよな?ひどくない?」


 



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