空は快晴。澄みきった青い空に真っ白な雲が浮かんでいる。
ああ、今日は何て良い天気なんだろうと空を見上げる私の心は、相反するように曇り空。いや、違うな。大雨、大嵐。台風か!



「何をぶつぶつひとりで言ってんだ」


「ああ、パパン。うん、ちょっとね。今花畑の近くにある川を渡ろうとしたんだけど、お金が足りなくて渡れなくてさ。どうしようかなって悩んだ結果、色仕掛けをすることにしたんだけど相手がモノホンのロリコンで、スクに叩き込まれたロリコン成敗術で応戦する!ていう妄想をしていたところなんだ」


「長い上に結局妄想かよ」



私を見下ろすようにそう言う自称王子様に、何か言い返してやろうと思ったが精神的ダメージ+さっきの長文で疲れたから敢えてのスルー。
目も合わせてあげないんだから!ぷんぷん。



「きっも」



いい加減怒って良いかな。良いよね、これは。しょうがないよ。だってムカつくもん!



「で、何してんだ」



ザンザスのごもっともな質問に、某国民的アニメの主人公のように「とほほ」と言いながら、近くにあったトマトを握る。



「トマトの山に埋まってるんだよ」


「それは見れば解るし。問題はどうしてそうなったかっていうことだよ」


「……朝食にでたトマトをスクに投げたらこうなった」


「「……」」


「トマトよ降れ降れもっと降れー。なまえサンを埋め尽くせー」



真っ赤な山の天辺で顔だけを出している私。近くの木の上で陽気な歌を歌いながら尚もトマト(の幻覚)を増やしていき、山を大きくするフラン。何故か無言のまま立ち去ったベルとザンザス。
心の汗を流しながらトマトの山に埋もれていった私は危うく窒息死しかけ、更にトマトが嫌いになったとかならないとか。





という夢を見たスクアーロは、その後なまえのトマト嫌いに少し甘くなったとかなってないとか。



(ねえ、スク!どうして今日はトマトないの!?何を企んでるの!?)
(俺が悪かった……。だから、長生きしてくれよぉ)




 
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