みんなで温まろう




パチパチと暖炉の中で薪が燃える。
火のゆったりした暖かさと、毛布のふわふわでしっとりとした暖かさが眠気を誘う。

毎日のようにミホークと修行して疲労困憊の身体にこの誘惑から逆らうことなんてできない。
今日はほぼ1日、ミホークは海軍に呼び出されて城にいない。だから修行は休み。1人で鍛錬しようと思ったけど、寒いから1回暖炉で温まろうとしたのが間違いだった。

あぁ…俺こんなに疲れてたんだ。

意識が朦朧とする中ぼんやりと思う。
ゴースト娘から散々獣扱いされていたのがようやくわかった気がした。

「……たまには休んでもバチあたんねぇよな…」

言い訳みたいにぼそりと呟いて俺は深い眠りについた。



「帰ったぞ」

今日は海軍に呼び出され、朝から夜まで城を出ていた。
全く、何故あんな下らん理由で俺が海軍にまで行かねばならんのか…
苛々した気持ちで部屋の扉を開ける。

「おい、ロロノア…」
「しーっ、静かにしろ鷹の目っ!」
「………む、寝ているのか?」

居間には鼻まで毛布に包まったロロノアと、ロロノアに膝枕をしているゴースト娘の姿があった。

「ああ、大分疲れてるみてぇだ。昼間ったから寝っぱなしだ」
「そうか。昼は食べたのか?」
「いや、アタシは食べたけど、起こすのも悪いかと思って食べさせてない」

いつものギラついた獣のような姿からは想像もできない幼い顔で眠るロロノア。それを母親みたいに見つめながら頭を撫でるゴースト娘。
…親子か貴様らは。

「…では、夕飯にするか」
「うん。…こいつどうする?」
「できるまで寝かせておけ。どうせお前の膝がなくても寝られるだろう」
「そうだな」

そっと起こさないように頭を浮かせゴースト娘が立ち上がる。

「じゃあ作ってくるから、お前は暖炉の火見てろ」
「…ああ」
「ったく、アタシがいねぇとお前らってホント生活できないよな」
「……ああ」

そこは否定しろよ!
とゴースト娘がどこか嬉しそうな声で怒鳴った。

暖炉の前でスヤスヤと眠るロロノアの頭を撫でてみる。
想像よりも柔らかく、触り心地の良いのその萌黄色の髪に先程までの苛々とした気持ちが失せてくる。

「………ふむ、悪くないな」

こういう寒い日も悪くないのかもしれない。



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