清光は何故かキスにこだわる。出陣する前には唇に触れるだけの短いキス、帰還した後はその時によってマチマチだが、出陣前よりも長い時間唇を合わせていることが多い。審神者にとっては清光のそのこだわりはあまり分からないらしく、いつも清光に言われるがままキスをしていることが多い。

「主、ちゅってやつして」

ん、と清光が目を閉じる。審神者はその唇に軽く触れて、すぐ離れた。

「清光、こんなキスでいいのですか?」
「今はそういう気分なの!」

今日はなんだか疲れた、と審神者の足の間に座って体重を預けてくる清光は満足そうに笑っている。

「私には、清光が持つキスへのこだわりがよく分かりません」
「んー……だって、出陣前にべろちゅーしちゃったら出陣どころじゃないじゃん」
「今は?」
「俺はそういう時以外に深いキスは仕掛けないの」

我慢できなくなるからね、と動いた唇に審神者はそっと指を滑らせる。

「なに? シたくなっちゃった?」

清光の笑みはいたずらっ子のそれだった。審神者はええ、と頷いて清光の唇にキスを落とす。清光は審神者が本気ではないと思っているのか抵抗はしてこなかった。それをいいことに力の入っていない唇に舌を潜り込ませる。

「っん、」

清光が審神者の肩に手を置いて力を入れる。押し返そうとするが審神者も負けるわけにはいかなかった。清光に逆らうように体重をかけ、ゆっくり押し倒す。

「あ、るじ」

唇を離すと清光は言った。「俺、今疲れてるんだって」

「知っていますよ。でも、我慢できなくなりました」

ね、清光。と耳に唇をあてて囁く。

「清光は気分ではないかもしれませんが、私はそういう気分ですよ」
「俺は、違う……」
「清光だってシたいときに勝手に仕掛けてくるではありませんか。あおいこです」
「んん、」

清光の指に自分の指を絡ませ、審神者は首筋に舌を這わせた。

「私は今あんなキスをされたら、我慢できませんよ」

清光はひとつため息を吐いて、それからふふ、と笑った。

「主のえっち」

そして受け入れるように瞳を閉じた。


全力でキストーク

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