ワンルームの楽園
「レイ!」
『どうしたの?そんなに急いで…』
扉が勢いよく開いたと思ったら、アリババが飛び込んできて私の腕を掴んだ。
「レイ、お前にはちょっとキツい所かもしれないけど、来てくれ!」
『え、ちょ、なに!?』
*
『ア、アリババ…。ここは…』
着いたのは、男が女にお酒の相手をしてもらうところ。
「ごめん、レイ!これには訳があって…」
「あれ?レイおねえさんだ!」
お店の扉が開くと、この前会ったばかりの青い髪の三つ編みをゆらゆらと揺らすアラジンが現れた。
『ア、アラジン?なんでここに…。というかこの店で何を…』
「わー、久しぶりだね!また会えるって言ってたからいつか会えるとは思ってたけど、アリババくんのところにいたんだね!」
この感触も久しぶりー、と私の胸に抱きついてきた。
「お、おい!」
アリババが横で焦っていたけど、大丈夫、と微笑みながらアラジンの頭を撫でた。
『久しぶり、アラジン。相変わらず元気だね』
「レイおねえさんも相変わらず、いいお胸だね!」
『…あの、アラジン。この店で何をしてたの?』
この店はアラジンのような子供が来てもいいお店じゃなくってね、そこまで言うと、アラジンは衝撃的な言葉を言った。
「え?アリババくんが連れてきてくれたんだよ!中には綺麗なおねえさんがいっぱいでね!」
アラジンはまだ何かを言っていたけど、私には聞こえず。
アリババがこの店に連れてきた、ということに激怒していた。
『アリババ、どういうこと?』
「落ち着けって、レイ!!だからこれには訳があって…!」
『こんな…!こんなお店にまだ子供のアラジンを連れてくるってどういうこと!?』
「あれ、そっちか。俺はてっきり、この店に来たことがあるのかとか言われるのかと、」
『それもあるけど、ま、まぁ、男の人がこういうお店に来るのって仕方ないと思う、し』
どもりながら言うと、アリババは残念そうにちょっと肩を落としてから、ごめんと言った。
「……」
『(アリババも男ってことね…)』
「アリババくん!レイおねえさん!早く中に入ろうよ!」
アラジンが、アリババと私の手首を握ってお店の中へと引っ張る。
え、ここに入るの!?