うつぶせの時間
「うーん…愛も幼なじみ離れってことか…」
『急にまた思い出すね…』
里奈に話して数日が経ち、わたしも落ち着いてきた頃にあの話が出てきた。
「この前はあんまり話進まなかったからさ」
あ、ブロッコリーいる?とお弁当のおかずの上に乗せられた。
『あー…』
泣いちゃったというか…。
人前で泣くなんてこの歳になって恥ずかしいことしちゃったなあ…。
「じゃあ、ちょっと気分転換でもしたら?」
『気分転換?』
「男ばっかりのところに居たら、女子高生らしいこと出来てないんじゃないのー?」
『ああ…うん、確かに…』
でも一応格好には気を使ったりはしてるけど…。
女の子らしくシャンプーとかもいい香りのもの選んだり…。
「遊ぶときも女子に気を使わないで公園とかさー」
『あぁ…』
「というより、放課後私と遊んだことある?」
『ない…です』
確かに幼なじみ対友達っていえば、8:2くらいで優先してたかも…。あっちの方にばかりいたしなあ…。
「今日からは両方5:5くらいで接しなさい」
『半々って一番難しい…』
「大丈夫だって!間違ってたら私が正してあげるから」
ほらほら、今日もお菓子持ってきたからどうぞ、と袋を開けて向かい合った机の間に置く里奈は楽しそうだ。
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